快走スノーピーク、33歳新社長の知られざる手腕 「アウトサイダーな経営者」が語った次の一手

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社員たちから出たアイデアが形になったのが今年7月、取引先などを招いて本社で開かれた3日間の大規模な展示会だ。キャンプフィールドにはスノーピークが手掛ける事業を紹介するブースが並び、建築家の隈研吾氏や小泉進次郎環境相などによるトークイベントも行われた。「本当にベーシックなことだが、成功体験を積み重ねることで、次のチャレンジがしやすくなるんだなと肌で感じた」(山井氏)。

「もっと個性を出したほうがいい」投資家からの言葉

デザイナーとしてキャリアを歩んできた山井社長(撮影:今井康一)

山井氏は、ファッションデザイナーとしてのキャリアがあり、2012年に入社したスノーピークでもデザインの仕事を手掛けてきた。「経営者として自分はかなりのアウトサイダー」と語る。社長就任時には、SNSで「世襲人事」と批判された。腕などにタトゥーを入れていることについて激しいバッシングも受けた。「頭では気にしないようにしていたが、実際は相当なダメージがあった」。

社長交代について株主はどう受け止めたのだろう。「短期的な法人株主の中には、スノーピークは大丈夫なのか、という声はあったかもしれない。でも、IPOの年からお付き合いしている機関投資家の方からは、変わらず応援していきたいというポジティブな意見をいただいた」。

決算説明会が終わった後に行う、投資家との1対1のミーティングでも「今の会見は全然、山井社長らしくなかった。もっと個性を出したほうがいい」など、業績の進捗や来期の見通しといった”数字以外”のことで声がかかるという。

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