資源高に沸く総合商社、純益は再び1兆円突破へ
トレード中心の口銭商売から、事業会社などに出資して持ち分利益や配当を取り込む事業投資型ビジネスへの移行が進んだ点も大きいが、やはりいちばんの原動力は近年の資源高。昨年度の5大商社の純益8000億円のうち、金属・エネルギー資源の儲けは7割近く、今期も6割以上を資源が稼ぐ。
もっとも資源は市況による変動のブレが大きいうえ、権益を保有する鉱区も採掘が進めばいずれ枯渇する。各社は非資源分野の収益強化を重要課題に掲げ、成長が期待できる中国事業や新興国でのインフラ事業拡大に力を入れている。
三菱商事と三井物産は今期、いずれも7000億円の新規投融資を計画し、その6割以上を非資源分野に投じる。「資源で高水準の利益が出ている間に、積極的な投資によって非資源を強化したい」と三井物産の飯島彰己社長。ポスト資源をにらんだ投資戦略の成否が問われる。
(渡辺清治 =週刊東洋経済2010年6月19日号)
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