8月13日以降「菅下ろし」が始まるかもしれない 東京五輪後の解散・総選挙のシナリオを読む

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「菅下ろし」と言っても、党内クーデターなどという物騒な話ではない。党の正式な定めに従って、総裁選挙を行えばよいのである。8月26日には、党の総裁選管理委員会が正式な日取りを決定する。感染状況が見通せないこともあり、日程は規定上最も遅い時期とし、9月17日告示、9月29日投開票になるのではないかと言われている。

重要なのは今回の総裁選は、いわゆるフルスペック、党員選挙ありで行われるということだ。昨年9月、安倍晋三前首相の突然の辞任を受けて行われた総裁選挙では「時間がないから」と簡易方式で行われた。すなわち各都道府県に3票ずつを割り振り、議員票393票、地方票141票、合計534票で争われた。そして菅義偉氏は議員票の7割、地方票の6割以上を抑えて堂々の勝利となったわけである。

党員票は「コントロール不能」

それでは党員投票を行う場合はどうなるか。2018年の総裁選では、安倍首相に石破茂元幹事長が挑戦した。あの時は議員票405に対して党員票も405、つまり議員票の比率は低下する。そして議員票は安倍首相が8割以上を抑えたが、党員票は55%対45%と、結構いい勝負だった。逆転していれば、危うく現職総理のメンツが丸つぶれになるところであった。

つまり、党員票は本質的にコントロール不能なのである。自民党員は現在約113万人。それほど特色があるわけではなく、だいたい世論調査と似たような傾向になるものだ。国民的に不人気な菅総理は、自民党員においても不人気となる公算が大きいのだ。

試しに自民党のHPで入党手続きのページを見るとこんな風に書いてある 。

入党すると、あなたも自民党総裁選で投票することができます。
総裁選挙の前2年継続して党費を納めた党員の方は、総裁選挙の有権者になります。

年額4000円也の党費を払って、自民党の一般党員になることの最大のメリットは、事実上、日本の総理を決める自民党総裁選で投票する権利を得ることのようである。となれば、「党員」といっても、さほど特殊な人たちではあるまい。そして党本部としては、その権利を尊重しなければならない。

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