五輪に来た外国人がコンビニで「ハマったもの」 取材の合間にさまざまなものに助けられた

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食材の流動性と呼んでいるもの――食事時間と実際に食べることには関係性がなくなるような興奮した精神状態のこと――の長年の支持者として、私が泊まっているホテルの朝食ビュッフェで衝撃の事実が判明した。ホテルでは厚切りの鯖に唐揚げ、麺のスープ、選りすぐりの漬物が毎朝出される。

オリンピック期間中の食事は物足りないのだ。プレスセンターにはレストランが2つある。そのうち1つはうどんやビーフカレーなど定番の日本食を提供している。もう片方はピザ&バーガーレストランという名前のピザやハンバーガーのレストランだ。

私たちが宿泊するホテルでも同様だが、そのどちらのレストランでも、ボリュームが少なく、メニューは変わらない。また、全座席が分厚いガラスのパーティションによって区切られている。

「コンビニはつねに進化を止めない」

だからこそ、よりさまざまな種類の商品が揃うコンビニエンスストアに人々が引きつけられることは当然と言えるだろう。

このチキンは驚くほどジューシーだった(写真:Andrew Keh/The New York Times)

こういった種類の豊富さと目新しさは半世紀もの間、日本でのコンビニ文化の要であった。ハーバード大学の教授ホワイトローは私にこう教えてくれた。

「おにぎりはコンビニで購入した初めての伝統的な日本食だ。それらは、海苔が湿らないよう、そして海苔を巻くのが簡単になるよう、工夫されたパッケージに入った状態で販売されていて、しかも売れても永遠に新しいものが配置されるかのように見えるんだ」

「コンビニは日本の手作り、便利な食事――長いこと日本を支えてきたご飯のボール(おにぎり)――をパッケージに包み、豪華な料理、つねに変わり続けるコンビ二料理へと進化させた」と、ホワイトローは話す。

オリンピック期間を通して、おにぎりは私をも支えてくれた。取材先に行く前に、おにぎりを1つか2つ(時には3つか4つ)、カバンに入れることは、お腹が空かないための必勝法である。

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