素朴な疑問、「電車」と「列車」は一体何が違うのか 埼京線は「電車」、湘南新宿ラインは「列車」…
実は”電車”と”列車”を見分ける方法が時刻表にある。それは列車番号の付け方だ。ここではわかりやすくするため“列車式”“電車式”の列車番号として考えてみたい。
”列車式”の列車番号は、種別、運転区間などのパターンに応じておおむね時系列に数字が増えるのが基本。例えば下りなら721M、723M、725M……という具合に下2桁が奇数で増えていく。アルファベットは電車列車の場合、Mが基本だが、運行形態によってはEやS、Y等ほかもアルファベットが使われることもある。
電車特定区間内完結列車でも”列車”と案内される相鉄・JR直通線の列車番号はこの”列車式”で割り振られていることが時刻表からもわかる。
しかし”電車式”の列車番号は、出区してから入区するまでの1運用を担当している間、例えば上り00・下り01のように、下2桁は1組の偶数・奇数番号を繰り返す。そして上2桁は始発駅の時刻を表す。
例えば運用番号73で、始発駅を9時台に出発する下り列車は973A、10時台に出発する上り列車は1072A、11時台に出発する下り列車は1173A、12時台に出発する上り列車は1272Aというような列車番号となる。アルファベットは車両基地単位や編成形態単位で振られることが多い。
“電車”の常磐線快速が成田線に直通する場合、成田線内は”列車”式の列車番号に変えて運行している。一方、総武快速線が総武本線・成田線・内房線・外房線に直通する場合は総武快速線の列車番号に3000をプラスするなど、それぞれに違いがあるのは興味深い。
電車特定区間外にある川越線・八高線・相模線も”電車”式の列車番号を用いている。少なくとも“電車式”の列車番号で運行している列車は“電車”として案内されているようだ。
国鉄時代の”電車”と”列車”の考え方を踏襲か?
ここまでいろいろと考察してみたが、”電車”と”列車”の違いについて、最有力なのは国鉄時代の考え方を踏襲しているということだ。JR東日本の前身となる国鉄では”電車”と”列車”を明確に区別していた。それによると国鉄時代の”列車”は停車するすべての駅の発着時刻が指定されている列車のことを指していたのに対して、”電車”は運転整理駅でのみ時刻を管理する列車とされていた。運転整理駅は発着時間を管理する駅として指定された駅のこと。運転整理駅以外の発着時刻は標準時刻と呼ばれていた。
そしてこの事は現在発行されている時刻表でも確認できる。時刻表の後半にある東京地区(標準時分)というページには、“電車”として案内されている路線の時刻が掲載されている。
これで解決……かと思ったら横須賀・総武快速線は標準時分のページにはない。逆に相鉄直通線は標準時分のページに掲載されている。また、東海道新幹線は”電車”と案内されている。これらには必ず理由があるはずだ。その謎を解決すべく、現在調査続行中である。
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