素朴な疑問、「電車」と「列車」は一体何が違うのか 埼京線は「電車」、湘南新宿ラインは「列車」…
JR東日本中央快速線の駅では「電車がまいります」「列車がまいります」2種類のパターンの案内表示・放送がある。
「電車が〜」の場合、E233系209系の快速・通勤快速・通勤特快・中央特快・青梅特快がやってくる。一方「列車が〜」の場合は特急列車や貨物列車(国立―高尾間)等がやってくる。
貨物列車はともかく、特急列車も電車を使用しているし、快速だって電車を使用した列車という点では、特急列車と変わらない。しかし放送でははっきりと“電車”と“列車”を区別している。
埼京線は”電車”、湘南新宿ラインは”列車”
ほかのJR東日本首都圏の路線ではどうだろう。山手線、京浜東北線、中央・総武線各駅停車、南武線、鶴見線、横浜線、青梅線、五日市線、武蔵野線は”電車”として案内している。
常磐線は各駅停車と品川―取手間を走るE231系快速が”電車”であるのに対して、E531系の快速・特別快速は特急と同じ”列車”。山手貨物線大崎―品川間でおなじ線路を走る埼京線は”電車”で、湘南新宿ラインは”列車”だ。
これらの事実から推測すると、通勤形電車を使用している近距離列車が”電車”で、近郊形・急行形(現存しないが)・特急形電車を使用した中長距離列車を”列車”と案内するという仮説が成り立つ。
通勤形電車=”電車”、近郊形電車=”列車”という図式は非常にシンプルでわかりやすいのだが、2019年に開業した相鉄直通線は埼京線の通勤型車両を使用しているにもかかわらず”列車”なのだ。
逆に近郊型車両で運行している横須賀・総武快速線千葉以東は”電車”と案内されているので、この仮説は成り立たないことがわかる。
なお、JR東日本の最近の車両は通勤型と近郊型をまとめて一般形と区分するようになっているが、ここでは便宜的に従来の通勤型・近郊型に分けて話を進めていく。
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