2035年、欧州で「ハイブリッド禁止」となる意味 欧州グリーンディールが他人事ではない理由

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これまでも日系自動車メーカーの間では「世界で最も厳しい燃費(CO2)規制はヨーロッパ」という認識があり、平均95g/kmという2021年の目標値についても、エンジン開発者らは「95グラムの壁」と呼び、エンジン気筒内の燃料効率を上げる技術など規制クリアに向けて様々な開発を行ってきた。

自動車産業界は2025年から2030年、さらにそれから先のヨーロッパのCO2規制がかなり厳しくなるという認識を持ってはいたが、今回の発表内容が「事実上のハイブリッド車販売禁止」に及んだことは、日系メーカーにとって大きな衝撃であることは間違いない。

社会課題解決から政治的思惑へのシフト

今回の発表を受けて、これまで約40年にわたりグローバルで自動車産業の変遷を現場で体感してきた筆者としては、「これは単なる規制ではない」という印象を持つ。時代を振り返ってみると、グローバルでの自動車に対する環境対応は“規制ありきの歴史”だった。 

戦後の経済高度成長により自動車メーカー各社は、消費者のクルマに対する要望を「より速く、より豪華に」という上昇志向が強まるように戦略を描いた。

その結果、搭載するエンジンが大型化すると同時に排ガスによる公害が社会問題となり、1970年代以降、アメリカのマスキー法をはじめとする排気ガス規制や燃費規制が、世界各地で施行されるようになる。

かつてアメリカでは排気量が6リッターを超える乗用車も少なくなかった(写真:VietImages / PIXTA)

公害という、目に見える課題によって生まれた規制は、消費者からの理解も得やすかったと考えられる。また、エンジン開発者にとっては、規制という目標があることが、開発の方向性や行程表を描きやすくしていたとも言える。

そうして1980年代がすぎていき、1990年に大きな動きが起こる。アメリカ・カリフォルニア州環境局大気保全委員会(CARB)によるZEV(ゼロエミッションヴィークル)規制の施行だ。

筆者は1990年代当時からこれまで、CARB関係者と各種カンファレンスなどの場で情報交換をしてきたが、彼らの主張が何度も変化することに政治的な背景を感じていた。

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