観光列車のルート変更も?長崎新幹線の「光と影」 経費節減で非電化方針、「36ぷらす3」に影響

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こうしたデザインを実現するため、新幹線と在来線の屋根を一体的につなげ、開放感が広がるよう柱の数も減らした。また、長崎では教会や歴史的建造物にレンガが古くから使われているため、駅コンコースの壁にレンガが多用されている。

従来の整備新幹線の駅舎と比べるとかなりデザイン性が重視されているが、上野所長は、「技術的に困難ということはなかった。県・市のデザインにほぼ応えることができたのではないか」と話す。

工事が進む新幹線長崎駅のホーム。長さは6両編成分だ(記者撮影)

西九州新幹線に当初導入される列車は6両編成。160mというホームの長さも6両編成を想定している。導入予定の車両が6両編成なのでそれに合わせたことになる。

ただ、山陽新幹線と直通し、新大阪と結ぶ山陽・九州新幹線「さくら」「みずほ」は8両編成だ。もし将来、西九州新幹線が山陽新幹線に乗り入れるとしても、6両編成のままなのか、あるいはホームは8両編成に延長できる構造なのか。その点について上野所長に聞いてみたが、明確な答えは得られなかった。

工事費用は45億3600万円。結構な金額ではあるが、この駅舎が完成すれば、長崎の新たな顔として注目を集めることは間違いない。

「36ぷらす3」で熱気帯びる在来線

新幹線の開業を間近に控え、在来線であるJR長崎本線の様相も変化を帯びつつある。

「全国初、駅ホーム直結の日本酒バー。ぜひ地元の酒を飲み比べて」――。佐賀県鹿島市にある肥前浜駅で地域住民たちが声を張り上げ、列車から降りた報道陣を出迎えた。7月12日、JR九州の観光列車「36ぷらす3」の試乗会でのひとコマだ。

肥前浜駅で「36ぷらす3」を出迎える地元の幼稚園児ら(記者撮影)

36ぷらす3は5日間かけて九州をぐるりと1周する観光列車。「ななつ星 in 九州」に匹敵するゴージャスな内装が魅力だが、「もう少し気軽に乗りたい」というニーズに応えるため、5日間乗りっぱなしではなく、通常の列車と同様、1日単位や区間を区切った乗車を可能にした。博多―長崎間は毎週月曜日に1往復する。

肥前浜駅は酒蔵が建ち並ぶ伝統的な町並み「酒蔵通り」や日本三大稲荷の一つ、祐徳稲荷神社といった観光地の玄関口。36ぷらす3のコースでは同駅で約1時間停車し、地元のNPO「肥前浜宿水とまちなみの会」のスタッフらによる駅前で名産品の販売や、酒蔵通りのガイド付きツアーなどが催される。

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