預金準備率下げが映す「中国経済V字回復」の鈍化

世界各地域の景気回復の持続性に疑問高まる

新型コロナウイルス禍からV字回復を遂げていた中国経済の持ち直しペースが鈍りつつある。世界各国・地域に景気回復の持続性を巡り警告を発する形となっている。

中国人民銀行(中央銀行)が9日発表した大半の市中銀行を対象とした融資拡大に向けた預金準備率の引き下げは先行きの変化を裏付ける。人民銀は刺激策推進の再開ではないと主張しているが、0.5ポイントの引き下げ幅はサプライズだった。

ブルームバーグのエコノミスト調査によると、15日発表される4-6月(第2四半期)の国内総生産(GDP)は前年同期比8%増と1-3月(第1四半期)の18.3%増から鈍化すると見込まれている。6月の小売売上高と工業生産、1-6月の固定資産投資の伸びも軒並み減速する見通しだ。

人民銀による迅速な行動は国内経済の落ち込みを防ぎ、安定した回復を確保する1つの方法でもある。

中国経済は前年の低い水準と比較するベース効果の剥落に伴って、回復初期に付けたピークから減速することは常に予想されていた。だが、その到来が予想よりも早く、世界経済にも波及する恐れがあるとエコノミストは指摘する。

野村ホールディングスのグローバルマーケッツ調査責任者、ロブ・スバラマン氏は「中国の減速による世界経済への影響は5年前に比べて大きくなることは間違いない」と分析。中国はコロナ禍に最初に見舞われ、そこからの脱却も先行しており、中国経済が減速しつつあるなら他国も近く追随するとの市場の見通しに影響すると話す。

回復ペースの鈍化は生産者物価の上昇率がピークを打ち、商品価格も一段と落ち着く可能性があるとの見方も強めている。

原題:China’s Slowing V-Shaped Economic Recovery Sends Global Warning(抜粋)

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著者:Bloomberg News

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