勉強嫌いの少年が「人気ゲーム開発者」になれた訳 13万部超え「ケミストリークエスト」誕生秘話

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そんな維斗さんが化学に興味を持ったきっかけは、4歳の頃。当時通っていた幼稚園で太陽系について学んだことでした。そこから宇宙に興味を持ち、地球の成り立ち、化石はどうやってできたか、化石に埋まる古生物と、どんどん興味の対象が広がり探究を続けた結果、鉱物を組成する元素へとつながっていったのです。

そんな探究心あふれる維斗さんですが、実は学校の勉強は大嫌い。宿題もやらずに済むならやりたくない。一方、自分の興味のあることにはものすごい集中力を発揮するタイプでした。

お母さんは、そんな維斗さんの特徴を理解していたので、小学校入学後、学校で問題児にならないように、本人には学校でのふるまい方について話しつつ、先生には維斗さんのことを理解してもらうように説明して協力を求め、一緒に対応を話し合い、乗り切っていったそうです。

その後は東京大学に進学

平均より能力が高かったり、個性が強い子は、一斉教育を前提とする学校では一歩間違うと、せっかくの資質を理解されずに問題児扱いされ、不登校になってしまうケースが多いのです。ここはお母さんが、賢い対応をしたと思います。

維斗さんはその後、中学受験を経て、中高一貫校に進み、一浪して東京大学に進学します。高校在学中も、勉強へのモチベーションが上がらず、学校の成績は低迷していたそうですが、いったん目標が決まったら集中できたそうです。自分が行きたい場所にたどり着くためなら、受験勉強もこなせたのですね。

将来は、てっきり化学者になるのかとおもいきや、土木工学や交通計画を研究したいと思っているそうです。

実は、小さいときから化石と同じくらい鉄道好きで、いったん離れていたものの、中高で友人たちと話すうちに、鉄道だけでなく、都市の構造、最適な交通網、都市計画、交通工学など学問的分野にまで興味が到達したのです。

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