住宅ローン審査に「落ちる人」と通る人の着実な差 転職、車、スマホ、キャッシングなどに注意

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では、勤続何年で定着したと見なされるかというと、基準は「勤続3年以上かどうか」。

「勤続3年以内」だと、「会社にまだ定着しきっていない」と判断されることがあります。もしも住宅の購入を考えていて転職の可能性がある人は、住宅を買ってから転職をするほうが審査においては安全といえます。

ところで、「勤続3年」で会社に定着と見なすのは、少し早急に思えるかもしれません。ここに絡むのが、「年齢」の問題です。

「勤続20年以上で会社に貢献」といったレベルを求めると、必然的に借り主の年齢は高くなります。しかし、年齢を重ねすぎると、それはそれでローン事故のリスクが高くなることに。

多くの金融機関ではローンが申し込める年齢を20歳から70歳まで、完済時は最高80歳までと上限を定めています。これは、年を取ってから借りると、返済期間が短くなり、1カ月当たりの返済金額が大きく膨らむため。しかし、年を取ってから毎月多額の返済を続けるのは至難の業。そのため、勤続年数のハードルを「3年」としているのです。

ただし、勤続年数の最低ラインは金融機関によって異なり、「勤続半年以上」や「1年以上」など幅があるので、1年未満で通る人もいれば、2年経ったのに審査に落ちる人もいます。「A銀行は落ちたけど、B銀行は通った」という人も珍しくありません。

思わぬものが「借金」扱いに

「返済負担率」という指標も審査では重視されます。これは「年収に占める全ローンの年間返済額の割合」で、「住宅ローン以外に借金はありますか? あれば、住宅ローンを組んだ場合、借金の返済総額はどれくらいになりますか?」を金融機関はチェックします。

多くの金融機関で、返済負担率の上限は30~35%以内、理想は20~25%以内とされています。

年収500万円で、住宅ローンの返済額が年間150万円の世帯を想定しましょう。もしほかの借金で年間50万円の返済があれば、年間返済総額は200万円で返済負担率は40%。返済負担率の上限を超えるので、この場合は審査に通る可能性が低くなります。

ここで、「借金はしていないから大丈夫」と安心した人も気をつけてください。思わぬものが「借金」としてカウントされ、返済負担率の足が出る可能性があります。

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