キウイ踊る「ゼスプリ」CMに視聴者が共感する理由 音楽をフックに訴求するCMがランキング上位に

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このほか音楽をフックに支持を伸ばしたのが、フルモデルチェンジしたホンダ『VEZEL』のCMだ。同社はこれまでにSuchmosやONE OK ROCK、米津玄師らの楽曲をCMに使うなど楽曲のセレクトに定評があり、本作には注目の若手アーティスト・藤井風が描き下ろした『きらり』を使用。井浦新や玉城ティナ、アントニー、布川敏和らさまざまな国籍や年齢、バックボーンを持つ、各界で活躍する13人が“GOOD GROOVER”として起用された。

CMは走行する『VEZEL e:HEV』やドライブを楽しむキャストたちの様子を細かなカット割りのムービーでつないでいく。モーター音とともに加速する同車と車内からモデルのる鹿が投げキッスを送るシーンに続き、「世界に、新しい気分を。」というメッセージで締めくくった。

All-New VEZEL e:HEV TVCM「AMP UP」篇(動画:YouTube 本田技研工業株式会社(Honda)チャンネルより)

ナレーションはほぼなく、音楽と映像で構成されたMVのような仕上がりで、スマートフォンなどの多様なカメラで撮影されたムービーを重ねることで表現に奥行きを持たせ、新型VEZELの爽快な走行感や楽しげな世界観を印象づけた。

“参加・共体験・共有型”のコミュニケーション

40代の男女を中心にスコアを伸ばし、モニターからは「藤井風さんの曲が心地よく、ドライブに出かけたくなった」「歌が印象的で爽やかな感じがする」と楽曲に関するコメントが数多く寄せられた。CM好感要因では「音楽・サウンド」「映像・画像」のほか、「商品にひかれた」の項目でも高い評価を獲得しており、新モデルへの関心を高めることにも成功したといえよう。

また公式サイトやSNSではCM楽曲をフルバージョンで楽しめるブランドムービーや、GOOD GROOVERがそれぞれの視点、表現でVEZELの魅力を伝えるコンテンツを発信するなど、“参加・共体験・共有型”のコミュニケーションを展開している。これらの取り組みが奏功し、本作は総合10位にランクイン。『インサイト』のCMを放送した2009年2月後期調査以来、同社として約12年ぶりのトップ10入りとなった。

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