揺らぐタイの“国体”  反政府行動制圧も、政情不安は深刻化

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国王の健康不安に加え、王室内部でもタクシン、反タクシン支持派に分かれているという指摘もある。そんな情勢不安も、今回の政治的混迷を促した可能性も否定できない。

甲斐教授は、「タイ政治の千日手」という表現を使い、今後の不透明さを恐れる。「クーデター → 民政移管 → 総選挙 → 政情不安 → クーデター」という、かつてのタイ政治の繰り返しが、今後もまた続くのではないかというのだ。

王室という“重し”さえも揺らぎ始めた。この千日手も、重しが軽くなった分、混乱を招く余地が生じている。

何があっても選挙の結果を受け入れるという、最も民主主義的であると同時に新興国にとって受け容れがたい価値が、今後タイ国民に根づくだろうか。一国の安定と発展の原点が、タイだけではなくアジア各国にも問われている。

(撮影:小堀新之助[アジア・ウオッチ・ネットワーク]=東洋経済オンライン)

 

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