中学受験「中堅校の特別コース」注意が必要な理由 志望校の「ケース別」に最適な勉強法を紹介
どんどん数が増えている公立一貫校の入試では、「適性検査」と呼ばれる従来の科目の枠にとらわれない問題が出題されています。一口に適性検査といっても、国語、算数など各科目の要素が強い出題をする学校から、ほんとうに各科目の要素がほとんどない出題をする学校まで結構な幅があります。
各科目の要素と、その場で考える要素のバランスが取れているところが多数派ですが、札幌市や横浜市のように各科目要素が非常に薄いところ、逆に沖縄や大阪、京都のように各科目の要素がかなり強く、私立型に近いところもあります。沖縄や大阪は、このところ目に見えて学力が向上している地域でもあるので、今後ほかの地域が真似てくることもあるかもしれません。
各科目の要素が薄い地域をのぞけば、基本的な受験知識を身につけつつ、適性検査に特化した対策もするというのが一般的です。また、私立とは違って内申点(小学校の成績)が重視される学校もあるなど、公立高校入試に近い要素もあります。
合格者のシェアを見ると、首都圏では偏差値が高騰してSAPIXからの合格者が多いような学校があったり、沖縄では日能研が強かったりしますが、これらはあくまで例外。地方ではたいてい国立附属中学と同様に、地元の大手塾からの合格者が、東京や大阪では公立中高一貫校に特化した塾からの合格者が多くなっています。もっとも、もともと暗記学習が中心の塾でほんとうに十分な対策ができているのかについては疑問が残るところではあります。
逆に、相性がよさそうなのが通信教育のZ会で、地方でもZ会員の合格者がそれなりに出ています。
「番狂わせ」が起こりやすい理由
中学入試が高校入試や大学入試と違う点の1つに、「番狂わせ」が起こりやすいということがあります。最大の原因は、なんといっても受験生がまだ小学生であるという点でしょう。
単に幼いというだけではなく、受験に匹敵する「本番」の経験も少ないことから、高校入試や大学入試と比べて点数が安定しにくく、難関校では「もう一度入試をやれば、合格者の半数は入れ替わる」などということがよくいわれます。また、幼いということは伸びしろが大きく、直前期の集中学習で化ける子が出やすいということもあるでしょう。