出口治明は「採用面接」で求職者の何を見ているか 「やりたいこと」にチャレンジする気持ちが大事

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相談② 面接でアピールできる「キャリア」がない
高卒で社会人となり、働き始めて10年目になりました。しかし、人に評価されるようなキャリアなんてないのでは、と思うようになりました。
最初に事務職を経験し、その後IT業界へ飛び込みました。どの仕事も手を抜いたことはなく、数年経てば自然と身につくようなことに関しては、経験として積み重なっている自覚はあります。ですが、それは誰でも共通して言えることですし、それをスキル、キャリアといえるのだろうかと思ってしまいます。
いま、転職したいと思う企業があるのですが、私にはアピールできるほどのキャリアがありません。それがネックになっていて、なかなか一歩踏み出せずにいます。
出口さんは面接する際、どのようなことを見ていらっしゃいますか? 
また、どのような人に魅力を感じますか?
(27歳、女性、会社員、ころろ)

行動にブレーキをかけるのはあなたの「心」だけ

採用面接するときに僕が何を見ているかというと、その人がキラキラした目をしているかどうかです。

抽象的に「キラキラした目」と表現しましたが、要するに自分のやりたいことにチャレンジする気持ちを持っているか、意欲があるのかどうかを知りたいのであって、僕はどんな人生であれ、自分の夢にチャレンジしようという人に魅力を感じるのです。

ご質問を読んでいると、あなたはどのような仕事であっても手を抜いているわけではなく、さらに数年を経て自然と身につけてこられたことを誰にでも共通してできることだと謙遜されていますが、実は普通の人にはなかなかできることではないと思います。

あなたはきっと、着実に仕事ができる優秀な方なのではないでしょうか。そういった中で、あなたが好きなこと、やりたいことを事業としている会社が見つかったわけですから、あなたが書かれているように、好きなことを仕事にして、思う存分打ち込んでみるべきときだと思います。

あなたは自分をアピールできるほどのキャリアがないと言われていますが、でも採用者がいちばん欲しいのは“好きなことに思う存分打ち込んでみたい”という気持ちです。しかも、あなたは仕事をきちんとこなしてきて、着実に実績を積み上げてきた方だと思います。

自分に臆することなく、堂々と「こんなことをやってきました」ということを伝え、「何よりも自分が好きなことを事業としている御社で、思う存分仕事に打ち込んでみたいのです」という気持ちを正直に訴えれば、道はきっと開けると思います。

ある友人の言葉に「環境が、あなたの行動にブレーキをかけるのではありません。あなたの行動にブレーキをかけるのは、ただ1つ、あなたの心だけなのです」という名文句があります。

自分の気持ちに勝手にストップをかけることなく、好きなことが見つかったので思う存分打ち込んでみたいという、あなたの気持ちに正直に向き合ってチャレンジすれば、きっといい結果が待っていると思います。

どうか頑張ってください。

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