結婚した男女が感じる「幸せ」「不幸せ」のリアル 「本当にいいものなの?」を統計データ分析で探る

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立命館大学の筒井淳也教授が、この問題を深掘りしています(「結婚満足度が下がる理由、男女で大きな差 お金よりもメンタルが大事?」/SankeiBiz/2019年10月22日配信)。筒井氏によると、結婚満足度の要素になっているのは、配偶者が「悩みを聞いてくれる」「評価してくれる・褒められる」「適切なアドバイスをくれる」という3つのメンタルサポートにあるようです。

子育てが始まるとメンタルサポートに変化

ところが、子供が生まれると両親とも子育てに時間と意識をとられますから、なかなかお互いにメンタルサポートができなくなります。この結果、子供がいる世帯は幸福度が下がってしまうようです。実際、子育て世帯へ「もっと夫婦で思いやって」なんて無責任なアドバイスをしようものなら「それどころじゃない!」と一蹴されるでしょう。とくに未就学児童のケアは、親の自由時間を奪います。

また、結婚すると男性のほうが女性からメンタル面でサポートを得やすいため、既婚男性の幸福度が上がりやすいようです。さらに、同氏の著書『結婚と家族のこれから』(光文社新書)によれば、男性は結婚すると、独身時代より家事をやらなくなります。独身のときはいろいろできていたはずなのに、結婚すると実家で母親が家事をしてくれていたときと、同じレベルまで家事参加度が下がるのです。

『やっぱり結婚しなきゃ! と思ったら読む本: 35歳からのナチュ婚のすすめ』(河出書房新社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら

そのため、結婚した女性側の家事負担が増える傾向にあります。結果、女性は目の前のタスクに時間を取られ、夫からのメンタルサポートを得にくくなる構図があるようです。

また、女性は夫というメンタルサポートを得る代わりに、それまでの友人と疎遠になったり、子育てに割く時間が男性より増えたりします。そこへ家事の負担も追加されるわけですから、子供がいる喜びを足しても、そこまで幸福度が変わらないのでしょう。

それでもなお、既婚女性の幸福度は未婚より上がるのですから、逆に結婚の威力を感じざるをえません。「結婚って、しんどいなあ……」ではなく「ここまでネガティブ要素もあるのに、なお幸せを感じられる結婚って、むしろすごくない?」というのが、筆者の意見です。

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