もし日本の旅客機が襲われたら、日本株は? 【今週の相場】安全保障リスクの過小評価は禁物
さて、これらのことを踏まえつつ、冷静に相場を分析してみましょう。当面の相場はどうなるでしょうか。
米国では企業業績や景気指標が順調なのに、金利が上がってきません。
中国やユーロ圏からの資金流入のため、とも言われていますが、とにかく米国経済にとっては極めて良好な環境が続いています。従って米国株は、多少の高値波乱はあってもトレンドが変わるような調整はないと考えられます。
個別株物色意欲は衰えず、相場はジワリ底上げへ
「米国次第」の日本株も、同様に考えて良いと思います。米金利低下では円安に期待が持てず、企業業績のみに頼ることになります。
業績への期待感は、米国ではアルコア、日本は安川電機の決算発表で、最初のイメージができあがります。幸い、今回は両銘柄とも、順調なスタートとなりなりました。特に安川電機においては、中間期の会社予想について、見事な上方修正がありました(通期計画は据え置き)。
3月本決算企業では、期初となるこのタイミングの業績修正は少ないと思いますが、逆に修正があった銘柄には人気が集中します。大物では23日(水)に日本電産、24日(木)には信越化学工業の決算がありますが、週末25日には一気に68銘柄が決算を迎えます。同日に発表される日本取引所グループの数字も影響するでしょう。
出来高が示す通り、大物中心にマーケットがダイナミックに動くことは考えられず、「値動きの良い銘柄への、短期資金集中」と、「中小型株の割安出遅れ」の2本立てで、今週も動くと考えられます。この個別株物色の動きが、結果的には日経平均株価の底上げとなり、空売り筋の買い戻しを誘い、高値を取ってくると思います。「木が森を育て、大きくする」ということでしょうか。
ウクライナやガザの地政学的リスクにはもちろん注意が必要ですし、先週の米国の住宅着工件数が悪かったので、今週は22日の米国の6月中古住宅販売に注目です。また、24日の7月のHSBC中国PMI(購買担当者指数)も無視できません。日経平均株価は、下値は200日移動平均線が位置する1万4900円、上値は25日移動平均(1万5273円)からの上方かい離1%である、1万5450円を予想します。
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