コロナを封じ込めた優等生の台湾で感染急拡大 政府はロックダウン回避し感染を抑え込めるか

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台湾政府は、16日に域内最多を更新した新型コロナウイルス感染の拡大抑え込みを急いでいる。コロナ封じ込めを巡り衛生・経済の両面で収めてきた目覚ましい成功を覆しかねない全面的なロックダウン(都市封鎖)は避けつつ、公衆衛生の維持を目指す。

新たに206人のコロナ感染を16日公表した台湾政府は、各企業に従業員の在宅勤務や勤務場所の分散を要請。台北市と新北市では屋内外の集まりを制限し、娯楽施設の休業措置にも踏み切った。病院では人員などを確保するため外来業務を縮小し、医療ツーリズムは禁じられる見通し。

コロナ封じ込め優等生の台湾とシンガポールで感染急増、制限強化

台北市に設けられた臨時のコロナ検査センターに並ぶ市民(5月15日)

パイロット隔離に使用のホテルを発端に感染拡大

台湾では域内新規感染者が14日平均で100人以上となり、その半数以上が感染経路不明だった場合、全面的なロックダウンが講じられる。人口2350万人の台湾では、これまでのところコロナ感染者が計1682人、死者は12人にとどまっている。200日余りにわたって域内感染が確認されないこともあったが、航空パイロットの隔離に使用されていたホテルを発端とした感染拡大ペースが加速している。

台北市内では15日に家族や社会的な集まりを屋内で5人、屋外では10人に制限。バーやナイトクラブ、カラオケ店は休業、台湾全土の寺院や教会、モスクの宗教儀式は停止を余儀なくされた。

また、週末にもかかわらず人気の観光地で人の姿を見かけることはほとんどなかった。一方、台北市のスーパーでは食料や生活必需品を蓄えておこうとする客の長い行列が見られた。

原題:Taiwan Races to Avert First Lockdown, Save Covid Success Story(抜粋)

著者:Adrian Kennedy、Cindy Wang

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