インフレは株式相場のリターンにどのような影響を与えるのか。これはかなり基本的な質問のように思える。
だが、その答えは、誰に質問するか、どの過去データと密接に関連していると考えるかによって異なってくる。
エコノミストが米国でインフレが長期化するか一時的にとどまるのかを解明しようとする中、株式アナリストが注目しているのは、インフレが定着した場合、株式市場に何を意味するのかという疑問に答えることだ。
ジョナサン・ゴラブ氏率いるクレディ・スイス・グループのストラテジストは、ここ1年間では、5年物ブレークイーブン・レートの変化率に基づくインフレ期待が高まるのと同時に、株価指数のリターンもプラスになっていると指摘した。
「最近の相場下落とは対照的に、株価はインフレ高進局面で上昇する傾向がある」とストラテジストらは13日のリポートで指摘した。
クレディ・スイスによると、S&P500種株価指数の全てのセクターが平均すると、インフレ懸念が高まった日にはリターンがプラスになった。最大の恩恵を受けてきたのがエネルギーと金融株で、生活必需品と公益セクターは最もリターンが小さかった。
一方、ロイトホルト・グループは、米消費者物価指数(CPI)とMSCI米国指数の株価収益率(PER)の過去の関係に基づき、異なった結論に達している。
同社のチャン・ワン氏は13日のリポートで「株式投資家は過熱していると感じているかもしれない。インフレ高進は歴史的にバリュエーション(株価評価)の低下と関連しているためだ」と分析した。
ただ、「この関係が過去2年間に弱まったことは認めざるを得ない」とも付け加え、現在の高いバリュエーション水準を踏まえると、インフレが大きく加速しなくても下落の動きを引き起こす可能性があるとの見方を示した。
原題:Wall Street Can’t Agree If Inflation Is Good or Bad for Stocks(抜粋)
著者:Brandon Kochkodin、Vildana Hajric
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