ソフトバンクが楽天モバイルと元社員を提訴 損害賠償請求額は1000億円まで拡大の可能性も
ソフトバンクは6日、楽天グループ傘下の楽天モバイルとソフトバンクから転職した元社員に対し、退職時に営業秘密を持ち出したとして情報の利用停止と廃棄のほか、約10億円の損害賠償を求める訴訟を東京地方裁判所へ提起したと発表した。
ソフトバンクの有山麻季子広報担当はブルームバーグの電話取材で、今回は楽天モバイルと元社員両者に対する10億円の損害賠償請求だが、1000億円程度まで拡大する可能性があると述べた。
楽天モバイルは、社内調査を実施したが、ソフトバンクの営業秘密を利用していたという事実は確認されておらず、裁判において正当性を主張していくとのコメントを発表した。
ソフトバンクは発表資料で、同社が昨年11月から12月にかけ、楽天モバイルに対する証拠保全申し立てを行い、元社員が持ち出した営業秘密の利用停止などを求める仮処分命令申し立てを行ったことを明らかにした。
また、楽天モバイルが不正競争を通じて不当な利益を得て営業上の利益を侵害したと主張。不正競争により建設された基地局等が存在することを今後明らかにすると述べた。
ソフトバンクは今年1月、楽天モバイルに勤務する元社員(45、当時)が不正競争防止法違反容疑で警視庁に逮捕されたと発表。不正に持ち出されたのは第4世代通信技術(4G)、第5世代(5G)ネットワーク用の基地局設備や基地局同士を結ぶ固定通信網に関する技術情報などで、民事訴訟提起の可能性を示唆していた。
楽天モバイル転職のソフトバンク元社員逮捕 、情報持ち出し疑い
発表を受けた6日午後の日本株市場で、楽天G株は一時前営業日比5.8%安の1308円まで下げ幅を広げ、終値は4.1%安の1332円と4月23日以来、およそ2週間ぶりの安値となった。
(楽天モバイルのコメントを追記、株価情報を更新します)
著者:日向貴彦、横山恵利香
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