調査対象者は、就職サイト「ブンナビ!」に登録する現在就活中(2022年春卒業予定)の大学生や大学院生。2020年10月1日から2021年3月15日までの調査期間の間に、全体で2万5000人(男子1万人、女子1万5000人)以上が回答している。
ランキングで「前半」と表記しているのは、調査を就活時期の前半と後半にわけて実施しているためで、あこがれやイメージが強い就活の「前半」と、実際の説明会や面接を経た「後半」との傾向の違いを分析している。
まず大きな特徴は、これまで人気を誇っていたエアライン業界離れだろう。
2018年卒から2021年卒までANA(全日本空輸)が4年連続で女子就活生のトップの座を保ち続けていたが、首位陥落どころか128位と、トップ100にも入っていない。同じくエアライン大手の日本航空(JAL)も同様で、昨年5位から141位まで順位を下げた。これまで上位に顔を出していたグループ企業もランキング外になっている。
もちろん原因はコロナ禍による航空需要の低迷と、「採用中止」。ANAとJALは2021年卒に続き、2022年卒の採用についても、客室乗務員や地上職の募集を中止。継続しているのはパイロットや障害者雇用などごく一部に限られている。
同様に旅行業界への志望も消え、JTBやHISなど、昨年まで上位にあった旅行関連企業は、軒並み100位圏外に沈んだ。
男女ともに伊藤忠商事がトップ
一方、今年の女子就活生のランキングトップに立ったのは伊藤忠商事。男子だけでなく今年はじめて女子でも1位に輝いた。
2位は明治グループ(明治・Meiji Seika ファルマ)。人気の食品メーカーの中でも安定的に上位にランクインしている。3位は博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ、4位日本生命保険と続く。
金融の人気は安定的で、日本生命保険のほか、6位損害保険ジャパン、10位大和証券グループと3社がトップ10にランクイン、生損保、証券を中心に上位に顔を出している。
5位集英社、7位講談社と出版大手2社がそれぞれ昨年から大きく順位を上げた。巣ごもり需要や電子コミックの好調が伝えられる中、女子就活生の間でも「コロナに負けない企業」として評価されていると思われる。
8位にはソニーミュージックグループ、9位にはロッテが入っている。
全体的にみてもコロナ禍の影響を受けた企業は順位を下げ、影響が少なかった企業は順位を上げている。女子就活生はそうした足元の状況を見ながら志望企業を選んでいると思われる。
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