健康被害ないけど気になる「スマホのカビ」生態 画面ではなくカバーと本体の隙間に発生する

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今日の若者の多くは、寝るとき以外は手に握りしめるか、胸やズボンのポケットに入れている。ほかには何も持たず、スマホだけで街を闊歩(かっぽ)する人もよく見かける。中には、浴室にまで持ち込む猛者(もさ)までいる。ヒトは体全体から多量に発汗するため、スマホも濡れやすい。

このような使い方をするスマホのカバーは要注意だ。カバーを取ってしまえばいいのだが、落としたときに壊れないためと、汚れ防止にカバーは手放せないようだ。

スマホのカビは見ることができる

多くの人々はスマホのカビは見えないと思っているが、これは誤りである。スマホのカビはよく見える。コクショクコウボやクロカビ(=クロカワカビ)などの黒いカビが多く、目立つ。小さな蜘蛛(くも)の巣のように生えていて汚れの塊も見える。肉眼で確認できなくても、10倍のルーペで見れば間違えることはない。

スマホカバーには、カメラ用などいくつかの穴が開いているが、穴の周りを取り囲むように、カバーの表面に直接生えていることもある。穴の部分から水分が侵入するので、水源を囲むようにカビが生えるのだろう。

さらに繊維埃のようなものが、カバーの湾曲した部分に溜まっているのをよく見かける。細い繊維の上に網状の菌糸の塊が見える。ホコリが水を蓄えてカビの温床になっているのだ。カビは、繊維に付着した汚れや汗の成分を栄養にしている。定着すると、カバーの成分であるプラスチックなども栄養にする。

スマホに生えるカビにも季節変動がある。夏より冬の方が多い。スマホは少し発熱しているから、冬でも暖かい。スマホを握りしめていたら温度はさらに上がるため、カビの繁殖には好適なのだ。一方、夏は、カバーの内部が暑くなりすぎて、カビはバテて減ってしまう。今の季節は元気だったカビがだんだんへたってくる時季といえる。お餅のカビと同様に、スマホのカビは冬の風物詩といえる。

次ページ1台のスマホカバーに最高56万個の胞子!
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