「人脈作り」に躍起な人が恐ろしく的外れな理由 ビジネスにおける「人脈」にもう価値はない

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ちなみに、ゲーム事業やメディア事業などを展開しているグリー株式会社のロゴは六角形をしており、シックス・ディグリーズに由来しています。

シックス・ディグリーズ理論では、6人を介するつながりは均一なものではなく、強いつながりを持った人が点在しているとされます。要するにキーパーソンが何人かいて、1つの業界と別の業界のような大きな隔たりをつなぐ役割を担っているのです。

個人がキャリアで成功するにあたって、キーパーソンとつながることができるかどうかは重要なポイントです。

人脈という狭い人間関係で考えると、キーパーソンが存在している確率は低いと言えます。一方、弱いつながりであるネットワークの中には、キーパーソンが含まれている確率は高くなります。

キーパーソンとつながっていれば、業界を超えてプロジェクトを立ち上げたり、転職したりするチャンスも増えます。

増えるダイレクトソーシングとリファラル

実際に、今の日本ではリファラル採用の割合が増加しています。HR総研の調査によると、企業がキャリア採用で利用している手段・サービスのトップは「人材紹介」(73%)であり、2位の「転職サイト」(71%)と利用率が拮抗しています(HR総研「キャリア採用に関する調査」)。

現状では、それよりも低い利用率でありながら、リファラル採用は41%となっており、大企業に限定すれば52%と半数を超えています。

また、ダイレクトソーシングも20%の利用があります。今後、利用がより高まると思われる採用手段として、リファラルとダイレクトソーシングは上位に挙がっており、今後伸びる可能性は十分に考えられます。

つまり、ネットワーク内で自分が認知されていれば、人を介して会社から採用したいというオファーが飛び込む可能性はあります。

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