上海でトヨタが明かした電動化戦略の具体策 bZ4Xコンセプトで見えた近未来のトヨタ車像
2018年にトヨタは、「自動車会社からモビリティカンパニーへ」のモデルチェンジを宣言した。そして、誰もが同じ地球上で生活をしている中、「ホームプラネット」という視点で企業活動を推進し、安心して暮らすことができる地球を、次の世代に受け継いでいく使命があると明言した。
また、「CASEへの対応によるさらなる技術革新でクルマの可能性を拡げ、すべての人の移動を自由にするサービスの提供に向け取り組むとともに、これらの事業を通じて SDGsの達成に貢献したい」との考えも示している。
中でもCASEの「E」、すなわち電動化を通したCO2の排出量削減は地球規模の課題となっており、2050年までのカーボンニュートラルを目指す宣言が、世界各国で打ち出されている背景がある。
各国政府との連携も不可欠
しかし、自動車産業におけるカーボンニュートラルの実現には、再生可能エネルギーや充電インフラなどのエネルギー政策と購入補助金、サプライヤー支援や電池リサイクルシステムなどの産業政策の一体的な運用が必要不可欠で、各国政府や業界団体などさまざまなステークホルダーと連携した取り組みが必要となる。
そのためトヨタは、各国政府と電動化推進に向けた環境整備について相談しながら、ライフサイクル全体でのCO2削減に資する電動化戦略を推進する構えだ。
そして、こうした渉外活動が、パリ協定の長期目標に整合しているかどうかのレビューと情報開示を2021年内に実施するなど、より多くのステークホルダーの理解を得るための情報開示に努めていく方針を明らかにしている。
それほどまでに世界規模でのカーボンニュートラルに向けた流れは実現困難な事象であり、1企業としてではなく、業界全体での改革が求められているのだ。
「100年に1度の大変革期」とされる昨今、この電動化戦略でトヨタ、そして自動車業界がどのような変革を起こすのか、不安とワクワクが入り混じる複雑な心境を感じながらも、その大きな変革に立ち会えることに感謝すら感じてしまうのは、筆者だけではないはず。
なお、TOYOTA bZ4Xは、日本と中国での生産が予定されており、2022年央までにグローバルでの販売を開始する計画だ。
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