不動産投資に「20代の若者」が続々と参戦する訳 金余りを背景に利回りの高さにも期待集まる

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(出所)『週刊東洋経済』4月19日発売号「不動産投資 天国と地獄」
(出所)『週刊東洋経済』4月19日発売号「不動産投資 天国と地獄」

不動産投資を始めた動機についてはどうか。健美家の倉内敬一社長は「老後の収入不安へのリスクヘッジ、そして副収入を目的にして投資を始める人が全体の8割ぐらいを占めている」と説明する。

実際、楽待が会員向けに今年3月に実施したアンケートによると、不動産投資を始めたきっかけは「資産運用のため」「給与以外の収入が欲しい」「老後の生活資金や年金の不安から」との回答が圧倒的に上位を占めた。

区分マンションの人気が高まっている

投資対象としては、2~3年前までは1棟アパートが活況だった。だが、2018年にスルガ銀行がシェアハウスオーナーなどにずさんな融資をしていた問題が表面化して以降、金融機関は1棟物件を中心に融資を引き締めた。総額の張る1棟物件に対しては、アパート・マンション問わず融資が厳しくなっている。そこで、最近は比較的融資を受けやすい区分マンションが人気だ。

また「投資を始めたばかりの若い人は戸建てに目を向けることが多い」(ファーストロジックの尾藤氏)という。ボロボロの戸建てを500万円以下で買って、自分でリフォームして、賃貸するケースもある。ただ、ぼろ戸建て投資はリスクが高いため、注意が必要だ。

かつての不動産投資と言えば、中小企業経営者などが節税対策で木造アパートなどを建設するイメージが強かったが、最近は投資家層、参入動機ともに傾向が変化しているようだ。

『週刊東洋経済』4月24日号(4月19日発売)の特集は「不動産投資 天国と地獄」です。
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梅咲 恵司 東洋経済 記者

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うめさき けいじ / Keiji Umesaki

ゼネコン・建設業界を担当。過去に小売り、不動産、精密業界などを担当。『週刊東洋経済』臨時増刊号「名古屋臨増2017年版」編集長。著書に『百貨店・デパート興亡史』(イースト・プレス)。

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