カナダの航空最大手エア・カナダは12日、同国政府から59億カナダ・ドル(約5100億円)近い公的支援を受けることで合意に達したと発表した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を乗り切り、運休した路線の運航再開につながる支援パッケージとなる。
発表資料によると、カナダ政府は1980年代にエア・カナダを民営化したが、今回5億カナダ・ドル相当の株式をディスカウント価格で取得し、再び株主となる。トルドー政権はエア・カナダ向けの総額53億8000万カナダ・ドルに上る5件の新たな信用供与枠を設定する契約の一環としてワラント(新株予約権)も受け取る。
経営幹部の報酬に制限設ける
エア・カナダは公的支援と引き換えに、自社株買いと配当の制限を受け入れ、雇用を4月1日の水準に維持するほか、ケベック州の工場で製造されたエアバスA220を33機購入する契約を履行することに同意した。100万カナダ・ドルを超える経営幹部報酬は認められない。
待望の公的支援発表で航空業界とトルドー政権の緊張は緩和されそうだ。トルドー政権は昨年3月以来、外国人旅行者の入国を禁止しており、最近になって規制をさらに強化した。
エア・カナダはパンデミックで打撃を受けた全産業が利用できる政府からの賃金補助を利用しているものの、同国には主要7カ国(G7)で唯一、航空業界向けの支援計画がないと繰り返し不満の意を表明していた。
原題:Air Canada Gets $4.7 Billion in Loans, Equity From Trudeau (2)(抜粋)
著者:Sandrine Rastello、Kait Bolongaro
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