可愛くない「ピンクのパンダ」ヒットした裏側 悲喜こもごもシャンシャングッズの製作背景

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その次の商品投入のターゲットは2017年12月19日。シャンシャンの一般公開初日だ。この日、店頭には40種類の新商品が並んだ。とりわけ話題になったのが「ほんとの大きさパンダの仔」というぬいぐるみ。シャンシャンの生後2日目をモデルにした重さ147g(1760円)と、同10日目の284g(2420円)という2種類がある。

作るきっかけになったのは、進藤さんの上司の「多くの人は、パンダの赤ちゃんがどんなに小さく生まれて、育つのがどれほど大変か知らないよね。実物大のぬいぐるみがあれば、わかってもらえるのかな」という言葉だった。母親の約1000分の1の体重で生まれる赤ちゃんパンダの小さな命の重さを感じてもらえたらと考え、製作に取りかかった。

ピンクの状態のぬいぐるみを作るの?という声

ぬいぐるみの色は薄いピンク。この日齢のシャンシャンは、シンシンに舐めてもらって、唾液が付いたためピンク色をしていた。発売前、上野動物園の一部の職員からは「あのピンクの状態のぬいぐるみを作るの?!」「生まれたてのパンダは、ハダカデバネズミみたいで、可愛くない」という驚きの声もあがった。

販売数にも苦慮した。東京動物園協会は、上野動物園を含め4カ所の動物園・水族園を運営している。そこで売るぬいぐるみは、多くて年1万個ほどだ。こうしたことと過去のパンダブームの状況を踏まえ、年内販売分として各3000個を用意。各6000個を翌年1月に入荷することにした。

いざ発売されると「テレビで見たピンクシャンシャン!」「こんなぬいぐるみ持ってない」と大人気。年内の販売予定分は発売3日で売り切れた。「顔から血の気がサーッと引きました」(進藤さん)。

人気は海外まで及んでいる。重さ284gのほうは、2020年7月に韓国で生まれた雌のパンダの福宝(フーバオ)が赤ちゃんの頃、そばに置かれていた。

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