コロナで変動「公示地価」は下がり続けるのか ステイホームと巣ごもり需要で各地に明暗

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半面、同じ不動産でも上昇にブレーキがかかったのが土地の価格だ。国土交通省が3月23日に公表した2021年の公示地価は6年ぶりの下落となった。5年連続で地価の上昇はストップし、ダウントレンドの第一歩を踏み出した。コロナの猛威に振り回され、2020年を境に不動産を取り巻く環境は大きく変わった(図表参照)。

コロナの大打撃を受けたエリアはどこか

ここで改めて、今年の公示地価の全体像を確認しておこう。全国の全用途平均は5年連続のプラスからマイナス0.5%へと暗転し、6年ぶりに下落した。用途別では、住宅地(全国平均)がマイナス0.4%となり、こちらも5年ぶりに下落。同じく商業地(同)もマイナス0.8%となり、7年ぶりの下落となった。

その中で、とくに打撃を受けたのが大都市圏の商業地だ。「夜の街」との不名誉なレッテルを貼られ、新型コロナウイルスの感染拡大の温床として、行政やマスメディアから集中砲火を浴びた東京・新宿区歌舞伎町。3月24日現在、同区の新規感染者数は累計6826人に達し、世田谷区(8596人)に次ぐ都内ワースト2となっている。

こうした結果が地価にも悪影響を及ぼしているのか、歌舞伎町は東京圏の商業地で下落率第5位(マイナス10.3%)となった。コロナ禍の外出自粛や休業要請によって、消費の景色が一変した証左と解される。

ただ、それ以上に下落したのが中央区銀座だ。「銀座8丁目」はマイナス12.8%となり、東京圏の商業地で最も下落した。また、国内で最も地価が高かった「山野楽器銀座本店」(銀座4丁目)も9年ぶりの下落(マイナス7.1%)となった。外国人観光客の急減が百貨店や地元商店の売り上げを下振れさせたためだ。

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