人気菓子の一斉値上げに潜む、甘くない現実 「チョコボール」「コアラのマーチ」容量削減のワケ

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世界のカカオ豆生産量の9割は5ヘクタール以下の小規模農家によるものだ(写真:ロイター/アフロ)

何十年にもわたって愛されてきたおやつの定番商品が、まもなく値上げされる。

森永製菓は7月8日店頭販売分から「チョコボール」など14品目の内容量を減らし、実質的な値上げに踏み切る。値上げ幅は4~8%になる予定だ。ロッテも8月5日発売分から「コアラのマーチ」の大袋商品など6品目で、明治は7月8日出荷分から「ミルクチョコレート」など10品目で容量変更を予定している。

菓子メーカーが一斉に値上げに踏み切ったのは、チョコレートの主原料であるカカオ豆の価格が高騰しているからだ。日本で消費するカカオ豆は全量を輸入に頼っている。その価格はロンドンの商品先物市場が指標となる。

昨年6月のカカオ豆の先物価格は1トン当たり2284ドルだったが、今年7月2日時点では3204ドルまで上昇した。3000ドルを超える高値圏は、世界最大の生産国であるコートジボワールが内戦状態に陥ったことで供給不安が起きた2011年以来だ。

供給不足が常態化

需給の逼迫と、それに伴う投機マネーの流入増が、相場高騰の原因となっている。

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