湘南ライナー廃止後も「お得に着席通勤」する技 特急に極力安く乗るか、ほかの手段を使うか

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湘南ライナーの場合は東京―小田原間を月20往復利用する場合、定期券が月4万50円とライナー券520円×20往復分で2万800円、計6万850円で着席通勤ができた。

520円のライナー券で利用でき、通勤客に親しまれた「湘南ライナー」(写真:F4UZR/PIXTA)

では、特急「湘南」で月20往復するといくらになるだろうか。 東京―小田原間だと特急券は紙の切符で片道1020円。20往復だと4万800円だ。これに1カ月定期券の代金4万50円を足すと月8万850円で、実に月2万円も高くなる。

一方、新幹線定期券はというと、こちらは特急料金込みで1カ月7万3930円だ。在来線特急での通勤より新幹線通勤のほうが1カ月当たり6920円も安いというのはちょっと考えものではないだろうか? 先述のチケットレスキャンペーンが使える間は特急「湘南」のほうが月6万8850円となり新幹線定期より安いが、キャンペーン料金ではない通常のチケットレス料金だと月7万6850円となるため、新幹線定期のほうが2920円安くなる。

半年だと在来線は定期券が21万6280円+紙の特急券が24万4800円で合計46万1080円。だが新幹線定期(3カ月定期×2回)は42万1420円と、4万円弱もの差が出る。

簡単だが効果大「1駅ずらして利用」

特急「湘南」は停車駅が多く、1駅の差で特急料金が760円から1020円に上がる、というケースが多い。

ならば乗車駅または降車駅を1駅ずらして料金が高くならないようにすればいいのだ。紙の切符だと760円でも、チケットレスキャンペーンなら460円、キャンペーン終了後も660円で済む。

【1駅短縮で1020円→760円にできる区間】
東京―藤沢間(51.1km):東京―大船間(46.5km)へ短縮
東京―辻堂/茅ヶ崎間(54.8km/58.6km):品川―辻堂(48.0km)へ短縮
※東京―藤沢間の場合、朝の上りに多い大船通過の列車を使う場合は、藤沢―品川/新橋間(44.3km/49.2km)にする手も使える。

なお、新宿発着列車の場合は最も近い神奈川県内の停車駅が51kmをゆうに超える藤沢であるため、どの駅を降車駅にする場合でも、渋谷発着にしても料金は変わらない。

1駅ずらした場合、気になるのは特急を降りた後、乗り継ぐ列車の待ち時間が長くないかどうかだ。だが、東海道線の大船・藤沢・辻堂で後続列車に乗り継ぐ場合の待ち時間はおおむね10分以内で済むようだ。東京駅20時00分発の「湘南9号」の場合は、大船―辻堂間で乗り継げる普通列車が国府津行きのため、鴨宮・小田原へはその後の沼津行きまで12分待ちとなるが、その程度だ。

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