世界初「自動運転レベル3」に見るホンダの本音 新型「レジェンド」は100台だけの限定販売に

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ホンダ センシング エリートを搭載する「Hybrid EX・Honda SENSING Elite」には、当該システムのほかにもいくつかの専用装備が与えられた。

外観ではブルーアクセサリーランプと専用アルミホイールを採用。数多くのセンサー類を目立たないように内蔵し、自動運行装置搭載車であることをさりげなく主張しているという。

ブルーのLEDアクセサリーランプが外観上の特徴(写真:本田技研工業)

インテリアでは、配置/大きさ/色/明るさなどにこだわったHonda SENSING Elite表示灯と12.3インチ フル液晶グラフィックメーターを採用し、システムの作動状態、走行状況、操作要求がドライバーへ直感的に伝えてくれる。

ボディカラーは6色、内装色は3色から選択可能となっており、このあたりはフラッグシップらしいラインナップだといえるだろう。

実験要素の強い100台のみのリース販売

新型レジェンド Hybrid EX・Honda SENSING Eliteの価格は、1100万円(税込み)。これは、ホンダ センシング エリート非装備モデルより375万円高となる。世界初の自動運転レベル3として高いか安いかが、評価のわかれ目となるだろう。

ただ、気になるのは、販売台数が限定100台のみで、そのすべてがリース販売という点だ。この点について、新型レジェンド開発責任者の青木仁氏は次のように説明する。

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「まずは100台限定でのリース販売という形式をとることで、一人ひとりのユーザーに丁寧なアフターサービスを行い、クルマを利用する中できちんとしたメンテナンスを行っていくことを重要視しています」

言葉遣いは丁寧だが、テスト販売の要素が強いことが伺える。100台のユーザーの使用状況や反響を見て、今後の展開へとつなげていくのだろう。

とはいえ、世界初のレベル3自動運転車を発売したことは、ホンダが目指す「事故ゼロ社会」に向けた大きな第一歩であり、完全自動運転車の登場に向けた布石となったことは間違いない。

この技術を一般に普及させていくには、コストが大きな壁となることは明らかだが、この10年でレベル2に相当するシステムの搭載が当たり前となったように、レベル3が身近な存在になっていくのではないか。

先川 知香 モータージャーナリスト

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さきかわ ちか / Chika Sakikawa

初めて見たバイクレースでマシンをバンクさせながら膝を擦って進入していくコーナリングを自分もやってみたいと思ったのをきっかけに、マシンを操ることの面白さを知り、その面白さを多くの人に伝えるべくモータージャーナリストを志す。現在の対象は2輪から4輪までと幅広く、Web や紙媒体で執筆中。愛車は Kawasaki Z250 とGASGAS、TOYOTA86 MT 仕様。休日は愛車でのサーキット走行やトライアルにも挑戦中で、公私共に乗り物漬けの日々を送る。

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