新興国債は米国債利回り上昇に対して一段と脆弱(ぜいじゃく)になっており、米10年債利回りが2%に到達すれば大量の資金流出を引き起こす可能性が高いと、マン・グループが指摘した。
同社のヘッジファンド部門マンGLGの新興国債チームでポートフォリオマネジャーを務めるリサ・チュア氏は、新興国債をリスクにさらしている他の要因として、割高なバリュエーション、インフレ加速見通し、米金融当局が景気を過熱させずに新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の影響に対処しようとして失敗する危険性を挙げた。
チュア氏は「ハードカレンシーや新興国債が共に米国債利回りの動きに対して一段と脆弱になっているまさにこの時期に、その動向は一段と速くなっている」と分析。「バリュエーションはますます割高、ポジショニングは一段と混雑した。われわれの見解では、現在の1.5%前後を上回る米10年債利回りのさらなる上昇を吸収する余力は新興国債には限られている」と語った。
同氏は重要な転換点が近づいている可能性があるとも指摘。
「米10年債利回りが2%に向けて上昇し続けた場合、ハードカレンシーや新興国債からの大量資金流出の引き金となる恐れがある」と述べた。利回りはパンデミック前の1年余り前、2%前後で推移していた。
原題:Man Group Sees EM Bond Slide as Treasuries Near Tipping Point(抜粋)
著者:Ruth Carson
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