都民が無関心「相鉄」なぜかっこよくなったのか 新横浜乗り入れ控え、最高のモテ期が到来する
特に2020年は新型コロナウイルスの蔓延で世の中が大きく変わってしまった。テレワークなどというものが突如生活の中に入り込んできた。都心の狭い家では夫婦2人がテレワークをするなど無理な話で、でも少し都心から離れれば同じ家賃で広い部屋を借りることもできる。都心から離れても通勤に不便では困る。ならば新宿直通の相鉄線沿線はうってつけである。代官山とかに住むのと比べれば、同じ家賃でも圧倒的に広い部屋に住むことができるに違いない。
そしてこのような変化が少しずつ進んでいく中で、相模鉄道の存在は人びとの暮らしに染み込んでゆく。
そうこうしているうちに、2022年度には相鉄線はJRだけでなく東急との直通運転もスタートする。2方向で都心に乗り入れるようになる。そのときには新横浜駅にも停車するようになる。相鉄と東急の境界が、新たにできる新横浜駅(仮称)というわけだ。
新横浜駅は言わずもがなの新幹線のターミナル。喜ばしいのは相鉄沿線の人たちだけではない。東急沿線の人たちは、いままで新幹線に乗ろうと思うといったん渋谷や目黒といった山手線のターミナルに出て、そこから品川駅に向かうしかなかった(それか菊名駅でJR横浜線乗り換えである)。それが相鉄との直通開始のおかげであっという間に乗り換えなしで新横浜駅に行けるようになるのだ。早朝の新幹線出張でも睡眠時間が1時間は変わってくるだろう。
その頃には相模鉄道のことを「知らない」などという人はすっかりいなくなる。いまはまだ、「相模鉄道? ナニソレ?」という存在にすぎないかもしれないが、数年後にはきっと「相鉄」という言葉が一般名詞のごとく街中を飛び交うようになるはずだ。
本当の「大手私鉄」に仲間入り
神奈川県内においては老舗私鉄の相模鉄道も、東京方面から見れば新参者。新しいことは悪いことではなくて、清新なイメージを与えてくれる。若い力、である。そこに濃紺の相鉄の電車がシンボルとなれば、ますます相模鉄道のイメージはアップするに違いない。
世の中が大きく変化しようとしているこの時代、さっそうと濃紺の電車を駆って都心に乗り入れてくる相模鉄道――。それが人びとの目にどう映るのか。きっと、未来への希望の象徴になる。時代の変わり目、乱世に幕を引く麒麟とは、もしかすると相模鉄道のことなのかもしれない。
……と、いささか大げさになってしまったが、少なくともそんな未来への第一歩が2019年11月30日の相鉄線都心乗り入れなのである。そして、相模鉄道にとっては大きな飛躍への偉大なる第一歩。いままで、神奈川県内の小私鉄として苦難の道程を歩んできた相模鉄道も、これでようやく“本当の”大手私鉄の仲間入りと言っていい。東京に乗り入れることの何が偉いんだ!と反発する向きもあるかもしれないが、それだけ大きな意味があるということだ。
相模鉄道がなぜ、いま注目を集めているのか。そして相模鉄道の未来になぜ注目すべきなのか。まだまだ東京では相模鉄道のことを知らない人も多い。“手をつける”ならばいまである――。
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