B777エンジン故障、亀裂はなぜ見逃されるのか 日本、韓国でも同型の緊急検査命令が出された

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ボーイング777型機のエンジンが20日に米コロラド州で故障した事故を受け、一部のエンジンについて緊急検査を命じた各国当局は、数十年来の問題に取り組むことも迫られる。

亀裂の発見は検査担当者の力量と集中力に頼る

金属部品内部にある亀裂の検出に必要な複雑な技術は、一貫した結果が得られないことがあり得ることで知られる。

ボーイング 777-200型機の尾翼とフェアリングの損傷出典:NTSB

検査結果は漠然とした内容になる傾向がある上、検査担当者の力量と集中力に頼っているのも同然だ。デンバーの事故と同型のエンジンファンブレードが故障した2018年の事故調査では、数年前に生じた亀裂が2回の検査で見逃されていたことが判明している。

運輸安全委員会(NTSB)の冶金専門家として働いていたジェームズ・ワイルディ氏は今回の事故につながった機体の欠陥について「恐らく発見できていなかっただけだ」とした上で、「亀裂は検知すべきだった、あるいは検知できたと考えられる」と語った。

連邦航空局(FAA)は23日、故障したのと同じプラット&ホイットニー(P&W)製エンジンを搭載した777型機を米航空会社として唯一運航するユナイテッド航空に対し、全てのファンブレードの検査を求める緊急命令を出した。同型機が運航されている日本や韓国も同様の指示を出している。

FAAは緊急命令で、あくまでも暫定的な措置であり、追加措置を講じると「想定している」と説明。24日の声明によると、検査のあり方の見直しなどが含まれる見通し。

散乱した航空機エンジンの破片(コロラド州ブルームフィールド、2月20日)写真家:Michael Ciaglo / Getty Images

原題:Cracks in Jet Engines Can Elude Inspectors, With Deadly Results(抜粋)

著者:Alan Levin

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