成田空港、駐車料金"大幅値下げ"の驚愕 羽田の半額!LCCとWin-Winの関係を築けるか

拡大
縮小

人の多いターミナル駅を通過せずに、自家用車で空港に乗りつけ、スムーズに飛行機に乗れるメリットは大きい。駐車料金が高ければそれも敬遠されてしまうが、今回の割引サービスが適用される時間帯の利用であれば、航空券・駐車場の双方が安いLCCを使うケースが増えることになるだろう。

特に期待されるのが、千葉県内からの利用者増だ。距離的には成田空港のほうが近いが、現状では、電車の本数や飛行機の便数が多い羽田空港を使う人が圧倒的に多い。今後、自家用車で空港に来る利便性が浸透してくれば、新たに成田を使う選択肢が増えてきそうだ。

LCCは歓迎の姿勢

画像を拡大
空港会社には、継続的な新サービス投入が求められる(撮影:尾形文繁)

国内LCC各社でも早速、この新サービスを活用しようという動きが出ている。

あるLCCの幹部は「自社のホームページ内で安くなった駐車料金をアピールすることで、千葉県内を中心に自家用車を持っている人の早朝便の利用促進につなげたい。その準備を早急に進めていく」と話す。

早朝出発便や夜遅い時間帯の到着便が多いLCCにとって、朗報であることは間違いない。LCC側の努力も求められるが、駐車場を運営する成田空港会社が今後もこうした新サービスを投入していけば、Win-Winの関係が構築でき、空港活性化にもつながっていきそうだ。

鳥海 高太朗 航空・旅行アナリスト 帝京大学非常勤講師

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

とりうみ こうたろう / Kotaro Toriumi

1978年千葉県生まれ。成城大学経済学部経営学科卒。食品会社、コンサルタント、城西国際大学観光学部助手を経て現職。専門は航空会社のマーケティング戦略。利用者・専門家の双方の視点から各社メディアを通じて情報発信をしている。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT