コロナ大国インドで新規感染者数9割減のなぞ 変異株による2回目パンデミックの可能性残る

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新型コロナウイルス感染症(COVID19)の感染者数が世界で2番目に多いインドだが、生活はほぼ平常に戻っている。

ショッピングモールの駐車場は再び満車となっている。商店はにぎわい、美容院や飲食店には長蛇の列ができている。

マンガルダス・マーケットで商品を吟味する買い物客(ムンバイ、2月6日)

2人の幼児を育てるカニズ・ゼフラさん(32)は先月、ニューデリー郊外にある国内最大級のDLFモール・オブ・インディアの混み合った店内に入ってみた。「当初は感染への恐怖感があったが、今は感染状況が他国ほど悪くはなさそうだ」と語った。

多くの国が第2、3、4波に見舞われている一方でインドではコロナの新規感染者報告が着実に減少していることに科学者は首をかしげている。1日当たりの感染者数は昨年9月に10万人近くでピークを付けてから、約90%減少。死者も同様のペースで減っており、今では1日当たり100人弱と、9月の1000人余りから急減した。

一方、疫学者らはこの数字を疑問視しており、特に地方での低い検査率や死因の恒常的な過小報告に言及する。ただこの数字が不自然に低いとしても、コロナ向け病床の落ち着き具合はこのトレンドが正真正銘であることを示唆している。

今のところワクチン接種は実施に関する技術的な問題で、当局者が期待したほど進んでいない。最終段階の試験に至る前に国産ワクチンが慌ただしく承認されたことから、医療従事者らフロントライン・ワーカーも懐疑的な見方を示している。

新型コロナワクチンを接種する医療従事者(ニューデリー、2月11日)

一方、同国は既に集団免疫を獲得したと推測する専門家もいる。南部カルナタカ州で実施された調査では、6000万人強に上る人口の約半数が昨年8月までに感染していたことが示唆された。これは当時の公式な数字の約90倍だ。若者が多い人口構成や、証明されていないが多くの熱帯病に幅広くさらされていることがコロナの多少の感染予防になっているとの見方もある。

しかし、インド医学研究会議所(ICMR)ウイルス学先進研究センターの元責任者、Tジェイコブ・ジョン氏は「警戒感は薄らいでいるが、南アフリカ変異株が免疫の壁を突破し、インドが新たな波に加わる形で2回目のパンデミックが起きるかどうかは予測不可能だ」と語った。

原題:Covid’s Puzzling Decline Sparks a Shopping Spree in India(抜粋)

著者:Chris Kay、Vrishti Beniwal

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