社会に女性が半分いるなら会社の中も半分に--武田安正・アクセンチュア副社長/ダイバーシティ経営大賞女性管理職登用部門賞受賞記念スピーチ

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社会に女性が半分いるなら会社の中も半分に--武田安正・アクセンチュア副社長/ダイバーシティ経営大賞女性管理職登用部門賞受賞記念スピーチ

このたびは「女性管理職登用部門賞」をいただきまして、誠にありがとうございます。東洋経済新報社様、谷本先生はじめ審査員の皆様、本当にありがとうございます。何よりも私どもの現場でこの取り組みを積極的に推進してくれたチームメンバーにお礼を言いたいと思います。

社内で「ヒューマンキャピタル・ダイバーシティ」という取り組みがあり、私が日本の責任者を務めております。この中で長期的な目標は「社内の構成要素を、できるだけ社会の構成要素の相似形にしよう」というものです。もし社会に女性が半分いるのであれば、社内の女性も半分。障害者が5%いるのであれば5%。マイノリティ、あるいは年齢等の要素も、社会と社内でできるだけ整合させるということがアクセンチュアのダイバーシティの取り組みの目標です。

短期的には、「見える化」という形で、さまざまな指標を掲げています。その中には「女性の管理職の数」や「退職率」も含まれています。7~8年前にこの取り組みを始めた頃から比べると、このような考え方はずいぶんと進歩しています。当初2人だったシニアエグゼクティブと呼ばれる幹部女性職員が現在9人に増えています。

またマネジャー以上を管理職と呼んでおりますが、女性の割合も増えてきており、社内での女性の役割はますます重要になってきています。これからは立場や性差を超え、社員にとって働きやすい環境を提供できるようダイバーシティを推進していきたいと考えています。

私どもは、経営コンサルティングから、それを実行するための仕組みの構築、さらにその運営管理まで一貫したサービスを提供し、お客様の市場における付加価値を向上させることを仕事にしています。したがって、私どもにとって社会情勢の変化は大きなビジネスチャンスです。こうしたチャンスをいかに実現していくか。そして、こうした変化をいかに理解して取り込み、さらには変化に先回りして対応していくか。そのためには、社会の構成要素と社内の構成要素を相似形にすることが非常に重要だというのがわれわれの結論です。

釈迦に説法ですが、ダーウィンが進化論の中に、「強いものが生き残るのではなくて、変化に順応できるものが生き残る」という言葉があります。アクセンチュアも、まさにできるだけ変化に順応できるような体制を心掛けていきたいと考えています。

アクセンチュアも、以前はビジネスをしていく中で、男性が前面に出る機会が多くありました。しかし、女性のほうが視点が高くて、大胆で、意思決定が早いこともあるのです。それは、採用の過程、社員教育の過程、あるいはお客様に対するサービスの提供の現場からも感じます。女性がこれまで以上に活躍できる環境を作ることにより、私どもの会社はより強く、より社会の中で評価されていくことを私は確信しています。

私ども、社員の平均年齢も30歳前後と、実はまだまだ若い会社です。いま日本の平均年齢は44歳ぐらいだと聞いておりますので、次は44歳に近づけることがアクセンチュアの目標かもしれません。こうした多様化した社会において、ますます多様化する価値観をいかに取り込み、それを付加価値に変えていくかということに、今後も努めていきたいと考えています。

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