「もう行きません」15歳少女が学校と決別した訳 不登校を「重く考えない」という選択

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――「学校をやめる」ということを、親や学校にはどのように伝えたのですか?

ストレートに、「もう学校へは行きません」と言いました。さいわい、親は不登校に理解があるほうだったので、私の考えを受けいれてくれました。めんどうだったのは学校です。学校は「ほかの生徒を動揺させないでほしい」と言ってきたんです。そして「転校することにしてはどうか」という提案をしてきました。

実際に学校を変えるわけではありません。学校には所属し続けるのですが、クラスメートには「転校することになった」と伝えて、お別れをしてはどうか、というのです。きっと学校側は自分たちの体裁を守りたかったんですね。生徒に「学校は必要ない」と言われてしまう自分たちのふがいなさをさらしたくなかったんでしょう。言われるがまま、同級生たちに「今までありがとうございました」と告げ、学校へ行かない生活に入りました。

今はなんのわだかまりもなく自由にすごしています。「転校」したことになっているので、外で同級生に会わないよう、出かける時間に気をつかわないといけないのは窮屈です。しかし私にとっては、家で自分の好きなようにすごせることが何よりうれしいです。

朝起きて、母に頼まれている洗濯をすましたあとは、「さあ今日は何をしよう」と計画を立てて1日をスタートしています。親は仕事で日中は家にいないので、夕方までは自分ひとりだけの時間。好きな本を読むなど、やりたいことをやって満喫しています。

どうせなら今を楽しくすごしたいと私は思っています。ツイッターで見かけたある投稿が自分に響いたからです。「子どものときは時間もあるし健康だけど、お金がないから、したいことができない。大人になればお金はあるけど仕事で忙しいから、自由な時間がない。高齢になるとお金も時間もあるけど、健康な体がない。だからやりたいことは、今やるしかない」。子どもでいられる時間は20年もありません。今しかできないことをやっていきたいと思っています。

ただ困っていることもあります。勉強です。私は学校へ通っていたときから、あまり勉強へのモチベーションを保てませんでした。「どの教科もまんべんなくできるようになりましょう」という学校の風潮がイヤで「苦手な科目も克服しないと」と言ってくる教師に飽き飽きしていました。何より、中学での勉強が将来どう役に立つのかわからないから、がんばれないんですね。

しかしいざ学校をやめてみると、「勉強しなくちゃ」という焦りが出てきました。今を大事にしたいので、将来のことをあまり考えたくはないのですが、中学1年までの学力でこれから先やっていけるのか不安です。だから勉強しようと思うのですが、ひとりではなかなか続きません。どうやったら勉強に向き合えるかには悩んでいます。

不登校について考えてみると

――勉強のほかに悩んでいることはありますか?

悩んでいるわけではありませんが、学校へ行かなくなったときから、不登校についてよく考えています。「もし学校へ行っていたらどんなことが得られたんだろうか」とか「不登校の経験はムダではないはず」など、自分なりの「不登校とは?」を考えているんです。

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