ロケで事故「芸能人の労働環境」は改善できるか フリーランスへの補償が広がる可能性は?
この点、2020年9月1日から施行された労災保険法の改正で、ダブルワークをしている人は、一方の事業所で労災が発生して労務不能になった場合、他方の事業所での収入分も加味して、休業補償が受けられるようになりました。
従来は労災が発生した側の事業所分の休業補償しか受けられなかったのですが、ダブルワークが珍しいことではなくなり、このような法改正が行われました。芸能人としての労災保険加入者も、この法改正の恩恵を受けることができます。
一方で、芸能人が労災保険に加入するにあたっての注意点もあります。第1の注意点は、自ら加入手続きをしなければ、労災保険の適用を受けられないということです。
芸能人への労災保険の加入は、1人親方(大工、個人タクシーなど)や、中小企業の経営者と同様「特別加入」というスキームを使いますので、一般の労働者とは異なり、行政に対し、加入手続きを行う必要があります。
一般労働者の場合は、仮に事業主が労災保険の加入手続きを怠ったとしても、労災保険からの療養補償や休業補償を受けることができます。
芸能事務所や保護者のフォローも
しかし、芸能人の場合は、あらかじめ加入手続きを行わなければ労災保険の適用を受けられず、また、事故が発生した後に、さかのぼって加入手続きをすることもできません。
労災保険に加入をしたいと考えている芸能人は、加入が解禁される2021年4月1日以降、できるだけ速やかに加入手続きを取る必要があります。
また、子役やアイドルなど、未成年の芸能人に関しては、本人自身が手続きをすることは難しいため、芸能事務所や保護者によるフォローが望まれます。
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