「JR羽田アクセス線」始動、ライバルはどう動く 新線構想はほかにも、既存路線と共存できる?

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羽田空港新駅は国内線の第1・第2ターミナルに設けられる予定だが、新線を国際線ターミナル(第3ターミナル)に延伸する構想もある。さらに、前記の答申に記載されている「京葉線・りんかい線相互直通運転化」と「総武線・京葉線接続新線の新設」の構想と合わせれば、羽田空港―成田空港の直通列車も可能になるだろう。

答申は、国際競争力が激化する中で東京エリアの競争力を高めることが課題になっており、そのうえで都市鉄道の機能強化が極めて重要であるとしている。その具体的な例の1つとして挙げているのが航空・新幹線との連携強化だ。代表的な例がJRの「羽田空港アクセス線」のプロジェクトであるといえる。

ただ、羽田空港アクセスに関する新線プロジェクトはJRだけではない。前述の答申には24のプロジェクトが記載されているが、「空港アクセスの向上に資するプロジェクト」はJRの羽田空港アクセス線以外にも3つある。

羽田アクセスの新線構想はほかにも

1つは、「蒲蒲線」としても知られる「新空港線」だ。東急線・JR線の蒲田駅と京急蒲田駅を結ぶことで羽田空港アクセスを改善しようという狙いで、現在は蒲田止まりとなっている東急多摩川線を矢口渡駅付近から地下化して京急蒲田まで延ばし、さらに京急空港線の大鳥居駅に接続するという構想だ。

新空港線(蒲蒲線)の実現を訴える垂れ幕=2019年12月(編集部撮影)

東急と京急の線路幅が異なるといった課題はあるが、矢口渡―京急蒲田間については事業計画が進んでおり、地元である大田区は積極的だ。また、東急多摩川線と東横線、副都心線などの直通により、新宿方面や東武東上線・西武池袋線沿線からの羽田空港アクセス改善も期待されている。

もう1つは、京成線の押上と京急線の泉岳寺間に新線を整備する「都心直結線の新設(押上―新東京―泉岳寺)」だ。両線は現在も都営地下鉄浅草線を経由して直通運転しているが、新たに東京駅近くを通る新線を建設して都心部へのアクセスを改善し、さらに成田空港・羽田空港を直結するルートにする構想である。

また、既存の路線を改良して列車の増発を可能にするのが「京急空港線羽田空港国内線ターミナル駅引上線の新設」だ。京急電鉄の羽田空港第1・第2ターミナル駅は1面2線の島式ホームで、2線がそれぞれ行き止まりとなっている。ここを掘り進めて引上線を設け、待機可能な車両の本数を増やして運用しやすくするというものだ。

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