「ゲームストップ騒動」示す侮れない社会の変化

エリートへの反乱が起こりやすくなっている

ゲームストップの店舗(写真:Philip Cheung/The New York Times)

ウォール街のプロがSNSのパーティー野郎に辛酸をなめさせられた件
レディットとロビンフッドに集まるチャラい個人投資家がショートスクイーズで金融エリートを「集団暴行」。事件は起こるべくして起こった。

先週、金融市場の話題をさらったゲームストップ株の乱高下は、まるで幻覚を見ているかのようなシュールな出来事だった。業績不振のビデオゲーム小売りチェーン、ゲームストップの株をめぐって、ネット上に巣くう有象無象がウォール街の金融エリートに「聖戦」を仕掛け、大金を賭けた巨大な綱引きを繰り広げたのだ。

ぶっとんだユーザー名、ぶっとんだいたずら

事の経緯を単純化して説明すると、次のようになる。ソーシャルメディア「レディット」の掲示板「ウォールストリート・ベッツ(WSB)」に生息するイケイケのイタズラ好き集団が面白い計画を思いついた。有名ヘッジファンドが空売りを仕掛けているゲームストップの株価をつり上げて「ショートスクーズ」(踏み上げ)を起こし、一杯食わせてやろう、という計画だ。

ひょっとすると自分たちの懐に利益が転がり込むかもしれないが、重要なのはそこではない。この悪ふざけのポイントは金融エリートに恥をかかせて、正義の鉄鎚を下すことにある——。

作戦はうまくいった。わずか2日間で、ゲームストップ株は世界で最も激しく取引される銘柄に変身。電気自動車メーカー、テスラの創業者イーロン・マスク氏やアレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員も、この反乱を支持した

「WSB」の利用者は、瞬く間に膨れ上がった証券口座残高の画面をスクリーンショットに撮影してレディットに投稿。計略の首謀者は、5万ドルの投資額が4000万ドル以上となり、思わぬ大金を手にしたと主張している(この人物がレディット上で使っているユーザー名は、字面的にいって一般紙にとても記せるような代物ではない)。

一方、ゲームストップ株を空売りしていたヘッジファンドの1つ、メルビン・キャピタルは巨額損失に見舞われ、別の投資会社2社に27億5000万ドルもの緊急支援を仰がなければならない状況に追い込まれた。

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