ANA総会で渦巻いた株主の「懸念」と「要望」 グループを取り巻く"荒波"の象徴か

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バニラエア(左)など、出資する航空会社との関係性に質問が飛んだ(撮影:尾形文繁)

――スターフライヤーを支援しているが、ANAグループの株主価値になるのか。

北九州にはANAの路線がないのでコードシェアを展開している。スターフライヤーと同じく、大口出資してコードシェアの関係にあるAIRDO、スカイネットアジア航空も含めて、総合力を発揮できている。ANAHDは彼らのようなパートナーの力も使って、成長していきたいと思っている。

――北陸新幹線が来年(2015年)に開業を予定しているが、(羽田―富山などの路線では)影響を受けるか。

(新幹線での移動時間が)2時間半ぐらいになると、航空機よりも新幹線が有利になるというデータがある。実際に東京―名古屋、仙台は2時間を切っていて、羽田からの直行便はなくなっている。金沢あたりも微妙なところになる。ただ、航空機を小型化したり、増便したりといった対応がある。また、単純な(北陸と東京の)移動だけでなくて、九州や沖縄といった(国内の遠方の)移動や国際線への乗り継ぎなどを考えると、需要喚起の余地はあると考えている。

最新設備の導入で勝負する

――(羽田空港からの大幅増便など)国際線は海外航空会社との競争環境も厳しくなっている。どのように差別化していくか。

ハード面では世界で最新のプロダクト(設備)を導入していく。たとえば、欧米線にはスタッガードシート(互い違いのレイアウトのシート)を入れている。現時点で一等賞を取れているわけではないが、つねに一番のプロダクトを目指したい。サービス面では、おもてなしの心を持ちながら、外国航空会社とは違うところを強調していきたい。

――今後の機材計画で、(短距離で少人数の路線に使うような)リージョナル機は、三菱飛行機のMRJを導入する計画があるが、三菱側の開発が遅れている。代替案は?

2008年に25機を発注した。本来なら昨年にローンチカスタマーとしてデリバリーされていたはずだが、これまでに三菱側の事情で開発遅れており、未だに納入に至っていない。ボーイング737-800を少し買い増して調整している。しかしながら、日本の技術で燃費をはじめ性能に優れるMRJに期待しており、デリバリーを信じて今後も待ちたい。

――昨年度の期末配当は1株当たり4円で、昨年の株主総会では5円に増配したいという話だったが、3円の減配になってしまった。

株主のみなさまにはご迷惑をおかけした。今も5円を目指していて、安定的に配当するという気持ちは変わらない。

武政 秀明
たけまさ ひであき / Hideaki Takemasa

1998年関西大学総合情報学部卒。国産大手自動車系ディーラーのセールスマン、新聞記者を経て、2005年東洋経済新報社に入社。2010年4月から東洋経済オンライン編集部。東洋経済オンライン副編集長を経て、2018年12月から東洋経済オンライン編集長。2020年5月、過去最高となる月間3億0457万PVを記録。2020年10月から2023年3月まで東洋経済オンライン編集部長。趣味はランニング。フルマラソンのベストタイムは2時間49分11秒(2012年勝田全国マラソン)。

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