収監されたサムスントップ「獄中経営」の行方 李在鎔副会長不在の穴をサムスンは埋められるか

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サムスン側は代わりとなる意志決定システムを用意するのは難しく、どういった経営体制になるか断言できない状況だ。2008年にサムスンの不正資金疑惑で故・李健熙会長が辞職したときには、「社長団協議体」という経営システムがつくられた。

今回の判決で、現代自動車やSK、LGなど韓国の主要企業グループ、またグーグルやアップルなどグローバル企業がM&Aなどの積極的な経営を続けるなかで、李副会長が収監されたサムスンにとって、将来の成長シーズの発掘がうまくいかず競争力が劣化するのではとの見方が出てきた。

対外的信頼度・イメージの劣化も

ソウル大学経営学部のイ・ギョンモク教授は「サムスンは優秀なグローバル企業との協業が多いが、今回の判決で対外的な信頼度が落ち、企業買収など戦略的な協業を続けることが難しくなる。サムスンの競争力の源泉であるスピードある意志決定にブレーキがかかる」と指摘する。

韓国の財界からは「韓国経済全般にわたって活動が萎縮する」との声も広がっている。ある大企業役員は「米中貿易対立が続く中、オーナー経営者の不在は長期的に相当な損失につながる」と言う。

一方で、サムスンと財界の一部が憂慮するような経済への打撃や活動萎縮に与える影響はそれほど大きくないという意見もある。当面のサムスンの経営体制は、専門経営陣による体制や取締役会などを強化するチャンスとしてみるべきだという指摘だ。高麗大学のキム・ウチャン教授は「サムスン内のグループ会社の代表が主体的に主要な案件に対して決定し、取締役会がそれを監視するといったやり方で権限を強化する必要がある」と述べた。(韓国「ソウル新聞」2021年1月18日)

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