進化続ける「山形新幹線」、冬場の安定性増すか 駅改良、トンネル、新型車両に奥羽新幹線構想
山形新幹線には将来に向けた動きが3点ある。福島駅の改良、福島―米沢間の改良、それと奥羽新幹線である。福島駅改良については新型車両E8系の導入計画とあわせて、2020年3月にJR東日本から広報されている。福島―米沢間改良と奥羽新幹線については、山形県総合交通政策課に資料をもとに説明してもらった。
14番線しか使えないネックの福島駅
まずは福島駅だが、山形新幹線列車が14番線にしか発着できない線路配線を改める。JR東日本新幹線統括本部の担当者に聞くと、「つばさ」と併結する上り「やまびこ」を14番線に入れるにあたり、基本的に到着時刻の5分程度前に進路を切り替える。当該の「やまびこ」が線路を横断する間は下り本線を支障するため、下りの列車間隔としては約6分開ける必要があるとのこと。14番線から上り本線に出てゆく際も同様で、下り列車の間隔を4分程度とっている。
現行ダイヤは、1時間に定期・臨時あわせて上下計4本の「つばさ・やまびこ」の設定が可能で、そのほかの東北新幹線列車は上下計定期6本に臨時2本を加えることができる。しかし、1本の上り「つばさ・やまびこ」に対して前後合わせて約10分も下り列車を支障するのはダイヤ上の大きなネックであろう。輸送障害時はダイヤ回復にも時間がかかる。
ちなみにJR東日本の新幹線は、COSMOS(Computerized Safety, Maintenance and Operation Systems of Shinkansen)と呼ばれるシステムで運行管理を行っている。列車が遅延した場合、ダイヤ画面上に表示された列車ダイヤは予想ダイヤ(発生が予想される遅延時分や番線支障等に基づいたダイヤ)が表示される。輸送指令はその予想ダイヤを確認し、当該列車だけでなく全体の影響を最小とするべく検討、画面上の列車スジを変更入力する。
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