すき家、「5月既存店8%増」のカラクリ 既存店の基準が4月から変わっていた!

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吉野家は減少、松屋の危機感

一方、競合他社の動向はどうか。昨年12月に発売した「牛すき鍋膳」がヒットした吉野家。昨年12月から今年3月までの既存店売上高は前年同月比で2ケタ超えを達成した。ところが、4月に3.3%減、5月も5.7%減と2カ月連続で前年割れとなった(全店ベースは4月0.8%増、5月1.6%減)。

これは失速というわけでもない。昨年4月は牛丼並盛りを380円から280円に値下げをした時期にあたる。この効果で、4月の既存店売上高は前年同期比11.1%増、5月も15.9%増と大きく伸びている。

本当の勝負はこれからだ。吉野家では好調だった牛すき鍋膳の販売を6月に休止。「夏季商品の投入をするため、オペレーション上の問題から休止した」(吉野家HDの広報IR担当者)という。販売再開は秋口で、それまでは「鰻丼」など限定商品の投入で、早期に既存店売上高を前年並みに戻す計画を立てている。

松屋の5月の既存店売上高は昨年12月以来のプラスとなる4.2%増(全店ベースは3.8%増)。5月に投入した和風おろしハンバーグ定食(630円)や、増量キャンペーンを実施した牛焼肉定食(590円)など高単価商品が売上げに貢献した。

ただ、昨年5月が前年同期比8.0%減と低迷しており、ハードルはそれほど高くなかった。5月中旬の決算発表会で緑川源治社長は「回復傾向にあるとはいえ、同業他社に加えコンビニなど中食との競争が激化している」と話すなど、危機感も強い。今後も限定商品の投入を継続的に行う方針だ。

又吉 龍吾 東洋経済 記者

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またよし りゅうご / Ryugo Matayoshi

2011年4月に東洋経済新報社入社。これまで小売り(主にコンビニ)、外食、自動車などの業界を担当。現在は統括編集部で企業記事の編集に従事する傍ら、外食業界(主に回転ずし)を担当。趣味はスポーツ観戦(野球、プロレス、ボートレース)と将棋。

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