「AI婚活導入」を急ぐ日本政府が的外れな理由 まずは「魅力的な国・自治体」作るほうが先
ただでさえも信用度が低く、悪評が高い結婚紹介業界。来年以降、信用度が高い自治体が国からの補助金をバックに低価格で本格的に参入してきたら、結婚紹介業界は壊滅的な打撃を受けることでしょう。
国からすると、「怪しげな民間事業者に国家的な課題である婚活支援を任せるわけにはいかない。国民に良質なサービスを提供するには、自治体に婚活支援を主導してもらおう」という考えかもしれません。
たしかに結婚紹介業者には問題が多いものの、民間事業者のほうがうまくやれることを非効率な自治体がわざわざやるというのは、典型的な民業圧迫。国・自治体は婚活支援から一歩引いて、民間事業者を支援し、育成する側に回るほうがいいのではないでしょうか。
「AI婚活」よりも大事なこと
以上のように今回の国による自治体への支援は決して適切なものとは言えません。どうしても予算を使うというなら、民間事業者のAI活用を補助金や税制などで支援したほうがいいように思えます。また、国民が安心して婚活支援サービスを利用できるように、優良事業者を認証する制度の整備、事業者の監視、悪質な事業者の取り締まりなどを先に進めてほしいものです。
一方、自治体は、マッチングなど婚活支援からは手を引いて、民間事業者に任せます。そして、住民が安心して子供を産み育てることができるよう、福祉や医療といった本来業務に専念したほうが、それぞれのノウハウを生かせるので適材適所といえるでしょう。
日本人が子供を産みたがらない大きな原因のひとつに、日本という国に将来性がなく、子供たちに不幸な思いをさせたくないというものがあります。地方の自治体に若い世代が住みたがらないのは、職がない、住環境が悪いなど、魅力が乏しいから。国・自治体は、婚活支援に前のめりになるよりも、まず夢と希望のある魅力的な国・自治体を作ることに邁進してほしいものです。
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