5時間半で800km!VW「ジェッタ」爆走の結末 ドイツ・アウトバーンでひたすらエンジン全開
ドイツで「とんでもない移動」をすることに!
1984年の暮れか85年の初めだったかと思う。いずれにしても、寒い季節だったのは間違いない。途中で雪に見舞われたのだから……。場所はドイツ、クルマはVWジェッタ(2代目初期モデル)のコンビネーションで、とんでもない経験をした。
その日僕はハノーバーのホテルで目覚めた。数人の日本人ジャーナリスト、そして、VWとアウディ広報部門の責任者(日本)であられたRHJ氏が一緒だった。
午前中は、ハノーバーにあるコンチネンタル本社を訪問/見学するプログラムが組まれ、ホテルに戻ってランチ……そこまでは何事もない平穏な時間を過ごした。ランチ後にドイツ南部まで移動することはわかっていたし、移動手段がVWジェッタだということもわかっていた。
アウトバーンを使ったドイツでの移動は数百kmに及ぶことが珍しくないし、詳細を知るまでは「いつもの移動」とたかをくくっていた。ところが、ランチが終わり、移動の詳細が知らされたときは驚いた。「とんでもない移動!」だったのだ。
オーストリア国境に近い小さな町のホテルが到着地だったが、ハノーバーのホテルからの距離は800km近く。そして、そのホテルでのディナーが18:30!!
ミーティングが終わったのは13:00。ホテルを出発したのが13:10くらいだったから、5時間20分で800kmを走らなければならない。単純計算で、平均速度は150km/h になる。いくらアウトバーン(当時はほとんど速度無制限)を走るとはいえ、「ほんとに!?」としか言いようがないスケジュールだった。
参加者全員が「ウッソだろー!?」みたいな反応をしたが、当然だろう。しかも、足はVWジェッタときている。1.8リットル・4気筒/90psのエンジン+4速MTのファミリーセダンだったのだ。