5時間半で800km!VW「ジェッタ」爆走の結末 ドイツ・アウトバーンでひたすらエンジン全開
カタログ性能は、0~100km/h が11.1秒、最高速度が176km/h 。現在に当てはめると、標準的な1.5リットルNAを積むAセグメント車くらいの性能だろう。このスケジュールを主導したのは、VWではなく、RHJ氏(以下、J氏)だったはず。J氏は超の付く飛ばし屋。今もパナメーラで飛ばしている(に違いない)。
スケジュールをクリアするための「コバンザメ作戦!」
J氏とは、時々食事をしたり、ずっと親しくお付き合いさせていただいているが、お元気そのものだ。そんなJ氏の立てたスケジュールを、いちばん楽に確実にクリアするため、僕は一計を案じた。
一計とは……おそらくはずっと先頭を走り続けるであろう、J氏の背後にピタリと付いて離れない「コバンザメ作戦!」。
予想は当たった。アウトバーンに乗るとすぐ、J氏は全開で走り始めた。まあ、全開とは言っても、90psのジェッタだから絶対速度は速くない。……が、ついてゆくこちらも同じなので、コバンザメ状態を保つには気を抜けない。
アウトバーンは空いていたが、いくら踏んでも90psジェッタでは160~185km/hあたりがせいぜい。緩い上り勾配、下り勾配がけっこうあり、下りなら185km/hくらいまで出るが、上りでは160km/hあたりまで速度は下がる。コバンザメとはいっても、当然、邪魔が入ることもある。そこで大きく引き離されてしまったら致命的。取り戻すのは厳しくなる。
邪魔が入ったときは、いかにロスを少なくするかに傾注する。そして、先行車に邪魔が入ったときにしっかり好位置を取り戻す。
ハノーバーのホテルを出るときから「コバンザメを実行する」と決めた僕の作戦は見事に当たり、飛ばしに飛ばすJ氏の後にピタリと追従し続けた。バックミラーに映るジェッタはいない。800km近くを走るとなれば、当然給油ストップもある。ここでもJ氏にピタリ付いて離れなかった。なので、ロスはゼロ。
ちなみに、給油地点までの平均速度は150km/hを超えていた。定かではないが、10分か15分か……そんな余裕を稼ぎ出していたように記憶している。