共通テスト、新教科で浮上した「情報」って何? AIやITに欠かせないスキル「情報I」必履修に

Python入門、Pythonを使ったアルゴリズム入門、シミュレーション入門など、Pythonを中心としたプログラミングやAIの基になるデータサイエンスなどを教える内容となっている。プログラミングは、20年から小学校、21年から中学校で必履修化され、それを学んだ子たちが学ぶことを見越しているのだろうが、一目で相当レベルが高いことがわかる。
「まずは教える人をつくらなければならない」と辰己氏が指摘するとおり、少なくとも、これまでのように「二足のわらじ」で教えられる内容ではない。今、少人数学級の導入においても教員の増員が議論されているが、財政面からいっても情報教員を増やすのには課題もありそうだ。
だが、こうした流れを受けて、各都道府県も情報教員の採用を少しずつだが始めている。これまでは必要な教員の半分くらいしか採用されていなかったというから、「情報I」の必履修化、さらに共通テストで「情報」が新教科として導入されれば、採用せざるをえなくなってくる。何より、社会がAIやITのようなデジタルの知見を持った人材を求めているということが大きい。
「プログラミングを含めたデジタルリテラシーを持った人材、とくに“データを読める人”が増えてほしい。さらにそれが経済格差、社会格差を縮める方向に作用してほしいと考えています」。こう話す辰己氏は、情報教育が経済、社会格差をひっくり返すトリガーになると期待を寄せる。
「今のままでは格差は拡大するばかりです。だからこそ、新しいテクノロジーは、みんなが勉強しなければならない。一部の人たちが学習して使いこなすのでは、逆に格差は拡大してしまいます。情報教育を含めたデジタルを小中高校生みんなが学ぶことで、テクノロジーが全体に広がります。これをきっかけに全員がデジタルを勉強して、格差が縮まる方に向かってくれるといいと考えています」
(写真:注記のない写真はiStock)
制作:東洋経済education × ICT編集チーム
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