「朝ドラ次期ヒロイン」杉咲花の知られざる決意 自ら立ちありのままで歩む理想の「女優道」
今回、杉咲花は大阪の喜劇の女優を演じる。文学界や映画界において、「喜劇」はさまざまな解釈で作品化されている。喜劇王チャールズ・チャップリンは「人生は近くで見れば悲劇だが、遠くから見れば喜劇だ」という言葉を残している。
今作の撮影期間中、杉咲花は初めて生で大阪の喜劇を鑑賞した。その際、出演者が舞台に登場するシーン、その姿勢に触れ、改めて喜劇の奥深さを実感したという。
「お客さんたち、みんなに楽しんで笑ってもらって今日を終わるんだというような空気感に鳥肌が止まらなかったんです。人を楽しませるために一生懸命に向き合われている姿にすごく感動しました。実際にコメディー的な要素があるドラマを撮影していて、笑ってもらうのはめちゃくちゃ難しいと感じています。
監督によってはカットを全然かけないで、シーンが終わった後のアドリブを楽しんでいるときもあり、頑張ってアドリブを言ってみたりするのですが、びっくりするぐらい現場がシーンとすることもあって。ものすごく落ち込むのですが、つぎ頑張ろうと思うぐらいにメンタルが強くなってきているのも感じています」
杉咲花が描く、理想の女優像とは
1961年に放送が始まり、日本の朝に、その時代が求めるテーマを描いてきたNHKの連続テレビ小説“朝ドラ”は、昭和から平成、令和へとつづく半世紀以上にわたって、テレビの「朝」を彩ってきた。
明るく元気な女性の一代記、逆境の中でもたくましく生き抜いていく女性像、社会の一線に出て働く女性の生きざま、時代とともに変化する多様なヒロインと家族の物語を紡いできた。そんな大役を、どのように受け止めているのか。
「自分の中では、どの作品をやらせていただくときにも愛情を持ってやることに変わりないと思っています。ヒロインだからといって気負いすぎず、一番大事にしないといけないことは女優としてちゃんと立つことなので、そこだけをちゃんと考えるようにしています。
特にこういう時期ですし、苦しい思いとか大変なことがみんないっぱいあると思うんですが、「あとちょっと頑張ってみるか」とこの作品を観て、きっと思ってもらえるんじゃないかと思っています」
“朝ドラ”のように長い期間、ひとつの役を演じられる機会は多くはない。そんな『おちょやん』を終えた後、杉咲花が目指す「理想とする女優像」を最後に聞いてみた。
「いい緊張感を持って、”必要”以上の”期待”を突破できる女優になりたいですね。どんな女優というよりも、現場での立ち居振る舞いや姿勢を大切にしているので、演じるときは新鮮な気持ちを忘れずに取り組んでいくことを目標にやっています」
答えがひとつではない時代。ありのままの自分で、これからも歩む。
厳しい時代の荒波に流されず軸を持って生きていく杉咲花の言葉は、今を生きる女性の「等身大の生き方」の道標にも感じた。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら